いとこ対決実現せず 福井工大福井・西村吏久人、秀岳館・西村思努との対戦に1勝届かず

 「選抜高校野球、2回戦・高崎健康福祉大高崎10-2福井工大福井」(28日、甲子園球場)

 福井工大福井が再試合に敗れ、41年ぶりの8強入りを逃した。

 西村吏久人内野手(3年)は、今大会3試合目で初めてのスタメン落ち。出場機会は訪れず「勝って欲しかった。ずっと勝ってくれと思っていた」と、悔しがった。

 約束の一戦まで、あと1勝だった。いとこの秀岳館・西村思努投手(3年)が前日、ひと足先に8強入り。お互いの実家は約300メートルの距離にあり、小・中学校の同級生。野球を始めたチームは同じで、中学で違うチームになってからも、平日は一緒に練習した。

 中学時代は一度対戦し、三振に打ち取られた吏久人。秀岳館に進む選択肢も視野にあったが「甲子園でいとこ対決がしたい!リベンジしたい!!」と、福井工大福井への進学を決めた。両校が出場した昨春センバツはともにメンバー外。「来年は対戦しよう」と話していた。

 互いに努力を重ね、今大会はそろってベンチ入り。出場が決まった際には「よかったな」、「頑張ろう」と、連絡を取り合った。準々決勝まで勝ち進めば、対戦がかなう組み合わせだった。

 延長十五回引き分けとなった26日の福井工大福井-高崎健康福祉大高崎戦。吏久人は1点リードの九回無死の場面でエラー。同点に追いつかれるきっかけを作ってしまった。あのゴロさえさばいていれば…。宿舎では夕食も喉を通らず、眠れないほど落ち込んだ。試合を見ていたという思努は、27日の自身の試合前に「硬くなっていた」と、いとこを気遣った。さすがに連絡はできなかったという。

 念願の対決は、ひとまず持ち越しとなった。「今日はLINEをします。電話がかかってくるんじゃないかな。優勝して欲しいです」。人一倍の悔しさを味わった吏久人は、思努にエールを送ると「死ぬ気で夏までやります」と誓った。残るチャンスはあと1回。今度は必ず聖地の打席とマウンドで再会する。

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