報徳学園8年ぶり8強 西垣が公式戦初完封 勇退・永田監督も絶賛 

 「選抜高校野球・2回戦、報徳学園4-0前橋育英」(26日、甲子園球場)

 2回戦3試合が行われ、報徳学園が09年以来の8強に進出した。エース・西垣雅矢投手(3年)が4安打10三振で公式戦初完封。多治見との1回戦から続く無失点を16イニングに伸ばした。

 拳を握り、何度もほえた。逃げるな-。指揮官の言葉を思い出しながら投げ抜いた132球。西垣が聖地で野球人生最高の投球を見せた。

 永田裕治監督(53)に迎えられるとがっちり握手。「ベストピッチだった。監督には厳しいこと言われてきたけど、反骨心で頑張ってきた。今日は『ナイスピッチ』と褒めてくれてうれしかった」。自然と声が弾んだ。

 昨秋は直球が130キロ台前半だったが、冬に体幹を鍛えて最速141キロまでアップ。腕の振りが速くなり、スライダー、フォークのキレも増した。「直球で差し込めるし、変化球も振ってくれた」。奪った10三振は全て空振り。4安打で三塁を踏ませない快投。連続無失点は16回まで伸びた。

 初めてベンチ入りした昨春の兵庫大会後、伝染性単核球症で入院した。40度近い高熱と、のどの腫れで流動食しか食べられず、体重は10キロも減った。自宅療養を経て7月に練習復帰した時は、周囲が驚くほど痩せていた。

 地道に体力を回復させて、昨秋は公式戦全11試合に登板。「離れたから野球は楽しいと思った」。冬は全身を鍛え直して体力面の不安も解消した。

 全身で感情を表現する姿に、永田監督も驚きを隠さない。「あんなおとなしい子がねえ。報徳の背番号1が似合うようになってきたな」。優しいまなざしで教え子を見つめた。

 8年ぶりの準々決勝進出。西垣は「監督には最後まで甲子園にいてもらいたい」と意気込む。目標は02年以来の頂点。今大会限りで退任する恩師の花道は優勝で飾る。

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