侍・菅野エースの仕事 被弾にくじけず4回1/3を1失点

 「WBC・1次リーグB組、日本4-1オーストラリア」(8日、東京ドーム)

 球数上限いっぱいまで丁寧かつ必死に腕を振り抜いた。先発・菅野(巨人)が4回1/3を4安打1失点。テンポのいい投球で試合を作り、役割を果たした。お立ち台に上がり大歓声を受け「少し緊張したけど、最低限の役割は果たせたと思います」と穏やかな表情を浮かべた。

 キレのある直球を中心に、ストライク先行で攻め込んだ。二回こそ先制弾を許したが、三回以降も落ち着きを失わなかった。四回に1死二塁の場面を迎えても、5番・ケネリー、6番・ウェルチを連続三振。「インサイドが狭かったので、甘めでも対応できるんじゃないかと」と常時ギリギリには攻めずに投げ込み、球数制限の65球に達した五回途中にマウンドを降りた。

 WBC自身初のマウンド。巨人の本拠地と言えど、特別な雰囲気を味わった。「野球人生において忘れられない一日になると思う」。その初の場でも堂々とした投球。ドジャースでスカウトも務めるオーストラリアのディーブル監督を「日本で一番いい投手。お手上げだった。メジャーレベル」と脱帽させた。

 次回登板は2次リーグの見込み。「心強いチームメートばかり。もっともっと長くこのメンバーで野球をやりたい」。逆転勝利に貢献したエースの熱投。そのマウンドでの背中が、チームを鼓舞し続ける。

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