オリックス吉田正「室伏トレ」で飛躍だ 20年東京五輪出場へエールも

 オリックスの吉田正尚外野手(23)が25日、都内の東京医科歯科大で、アテネ五輪ハンマー投げの金メダリスト・室伏広治氏(42)から“マッスル講座”を受講した。同大教授でスポーツサイエンスセンター長を務める室伏氏からバランスや安定性を重視した筋力アップ方を教わり感激。世界最強を誇った“マッスルマン”の知識を自身のパワーアップにつなげる。

 憧れの人との時間は充実と厳しさが入り交じった。「あ~、キツい」。現役時代は人間界最強とも称された肉体を誇る室伏氏からのマンツーマン指導に吉田正が苦悶(くもん)の表情だ。

 世界の鉄人自ら現役時代に考案したメニューが取り入れられた。今回の自主トレの内容は筋力の大幅アップを目指すものではなく、体のバランスなどに重点を置いたもの。直接指導はこの日が3度目で約1時間にわたり体をいじめた。

 中でも効いたのは、計40キロのバーベルの左右先端に室伏氏が現役時代に使用した7・26キロのハンマーをぶらさげて、上下に細かく動くスクワット。体の安定性を養うことが狙いで吉田正も「こういう時期にしか経験できない」とうなずいた。

 念願だった。吉田正が室伏氏のトレーニング動画を見つけたのは昨年9月。秋季キャンプ中に“弟子入り”を志願する手紙を書いた。同氏がテレビ番組「筋肉番付」に出演していた頃からの憧れの人物で何度も書き直した“ラブレター”を送付した。

 そんな貪欲な姿勢に室伏氏は「(手紙に熱意が)びっしり書いてあった」と快諾。下半身がガッチリとした吉田正の体に「野球に向いている」と太鼓判を押し、「日本を代表する選手に。オリンピックに出てもらいたい」と20年開催の東京五輪出場を期待した。

 昨年は腰痛を発症し、シーズン中に離脱した時期もあった。「全ての面でパワーアップしたい」と吉田正。さらにパワフルな打棒を身につけ、恩返ししていく。

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