王氏 恩師通夜で「荒川さんが身を削ってくれたから一本足打法はできた」

 元プロ野球巨人の打撃コーチで、王貞治氏に「一本足打法」を指導し、4日に心不全のために86歳で亡くなった荒川博氏の通夜が10日、東京都中野区の宝仙寺で営まれ、ソフトバンク会長の王氏や巨人終身名誉監督の長嶋茂雄氏ら約400人が故人をしのんだ。

 祭壇には王氏のバット、コーチ時代につけていた背番号73の巨人ユニホームなども置かれた。葬儀委員長を務めた王氏は、穏やかに笑みを浮かべる恩師の遺影に、深々と頭を下げた。

 「ただただ、ありがとうございました、と。朝から晩までとにかくバットを振って、振って、振りまくった。一つ一つ説明を受けながら一本足打法は形づくられていった。荒川さんが自分の身を削ってくれたからできた」。中学生のときに出会い、厳しくも温かい目を注がれ、師弟で積み上げた868本塁打。感謝の思いを王氏は口にした。

 会場には王氏を指導したり、野球少年を教えたりする写真も飾られた。自身の経験を踏まえ、王氏は「練習あるのみ。体で表現するには体で覚えるしかない」と改めて思い起こした。

 亡くなった当日は巨人のOB会に出席する予定で「苦しまずに旅立ち、幸せだったのでは」と王氏は突然の別れを振り返った。

 戒名は「天球院博譽高達居士(てんきゅういんはくよこうたつこじ)」とつけられた。「天」は「二人」の文字を重ね合わせ、王氏と二人で球を追い掛けて高く極めた、との意味が込められているという。

 葬儀・告別式は11日午後1時45分から宝仙寺で営まれる。

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