工藤ソフト 九死に1勝 九回、土壇場で重盗&柳田V打

 「パCSファイナルS・第2戦、日本ハム4-6ソフトバンク」(13日、札幌ドーム)

 簡単には引き下がらない。ソフトバンクが土壇場でドラマを巻き起こした。1点を追う九回、福田秀平外野手(27)が重盗などで好機を拡大し、本多雄一内野手(31)、柳田悠岐外野手(28)の適時打で逆転勝ち。対戦成績を1勝2敗とし、息を吹き返した鷹軍団。3年連続日本一に向け、逆襲の風が吹く。

 負ければ相手に王手がかかる。まさに崖っぷちの戦い。その土壇場で、2年連続日本一に輝いた鷹軍団の底力、意地が光る。「みんなが集中していた。何とかするんだという気持ちが上回った」と工藤監督が評した攻撃は1点を追う九回だ。

 1死から代打・福田が、相手の守護神・マーティンから死球を受けて出塁。投球を受けたのは左すね。一度は治療でベンチ裏に消えたが、グラウンドに戻ってきた俊足が、自慢の足で大勝負をかける。

 「行けるところは行こうと。思い切って行きました」と福田。次打者・中村晃の2球目以降にマーティンがクイック投球をやめ、打者集中の構えを見せると、すぐさま3球目に二盗を成功させた。そして1死一、二塁となったところで、さらなる勝負手を打った。

 「(盗塁は)ノーサインです。ストップがかかっていなかったし、マーティンのモーションが自分の頭の中のモーションと重なったので勝負に行った」。

 本多への2球目に福田が好スタートを切って三盗に成功。一走・中村晃も二塁を陥れる重盗で二、三塁と好機を拡大。ここから本多の左前適時打で同点とし、さらに柳田の中前への勝ち越し適時打などで計3点を奪って逆転に成功。まさに執念の集中攻撃だった。

 「行けるんだったらと飯田コーチに言ってあった。勇気はいるけど、普段から観察してというのをやってくれた結果」と工藤監督。相手の守護神をかく乱し、勝利をたぐり寄せた福田の姿を絶賛した。

 2点を追う八回に飛び出した松田のソロ。九回に併殺崩れで追加点をもぎ取った内川の一塁へのヘッドスライディング。土俵際で見せた泥くさい強さ。「明日、絶対に取って、タイにしたい」と話した福田の言葉も気迫に満ちていた。

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