大阪偕星学園、大阪桐蔭を追い詰めるも…秘策で撃沈

 「秋季高校野球大阪大会・4回戦、大阪桐蔭3-2大阪偕星学園」(1日、舞洲ベースボールスタジアム)

 大阪偕星学園は2点を追う九回に1点差まで迫ったが、最後はホームスチールを仕掛けて失敗。昨夏、大阪桐蔭を撃破した再現はならず、山本監督は「選手はよく頑張った。きょうは監督の責任です。勝てていた試合でした」と悔しさを隠せなかった。

 勝負の一手を打ったのは2点を追う九回だった。2死二塁から山田の右中間適時三塁打で1点差に詰め寄り、なおも2死三塁。一打同点の場面だったが、8番・山本はタイミングが合わずに2ストライクと追い込まれた。

 ここで山本監督は三塁走者にホームスチールのサインを送る。「相手のサードがベースから離れていたので、リードもしっかり取れる。そういう練習もしていたので」。投手はクイックモーションで投げる状況ではない。しかも右腕だけに、スタートを切ったことは目に入る。

 ストライクであれば打者はスイングする。高校野球であれば、慌ててコントロールミスする可能性も生まれる。綿密な指示を出していたが「ちょっと三塁走者がびびっちゃってスタートが遅れた。そこまでつきつめてやれなかった私の責任」と指揮官。大阪桐蔭バッテリーは動揺することなく、内角低めのボール球で滑り込んできた三塁走者は憤死。ゲームセットとなった。

 もし外角にそれていればタイミング的にはセーフだったかもしれない。「勝たなきゃいけないゲームだったし、相手を分析して、勝てるゲームだと思っていた。それができなかったのは監督の責任ですよ。選手たちはよくやってくれた」と言葉の端々からは悔しさがにじみでる。

 ただ投手に転向してわずか2カ月のエース・加藤が踏ん張り、大阪桐蔭と互角に渡り合った。「もう一回チームをばらして、一冬かけて作っていく。今度は桐蔭にきっちり勝てるように、コールドで勝てるように選手に言って聞かせたい」と語気を強めた山本監督。昨夏、野球をやりたくてもできない子供たちを集め、“リアル・ルーキーズ”として聖地で注目を集めた大阪偕星学園。来夏、力をつけた子供たちが2年ぶりの甲子園を狙う。

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