巨人・阿部、決勝打は“ひとりエンドラン” 勝率5割復帰
「阪神1-2巨人」(18日、甲子園球場)
バットの先端で捉えた打球が、コロコロと三遊間を抜けていく。九回、2死二塁。巨人・阿部が決勝の左前適時打。6月16日以来となる勝率5割復帰に導いた。ヒーローは「狙って打ったわけじゃないよ。半分くらい、ひとりエンドランだね」と、執念の一打を表現した。
嫌なムードを一掃した。九回、無死一、二塁で二走の鈴木がけん制に誘い出されて挟まれると、最後は一走・坂本が挟殺されて1死二塁。長野も投ゴロに倒れ、チャンスがしぼみかけていた。敬遠も考えられた場面だったが「見ていかないように。センター返しをイメージしていた」。ドリスが投じた初球152キロの外角球に食らいつくと、敵地に悲鳴がこだました。
得点には結びつかなかったが、七回にもメッセンジャーからバットの先端で右前打。「今日はここと、ここにしか当たってないな」。ベンチ裏では“相棒”の先を2カ所、有り難そうにさすった。
ベテランの活躍に、高橋監督も「救ってくれた」と感謝。今季は甲子園で4勝1分けと好調の理由を問われると、「それは分からない。探してください」と控えめに笑った。
後半戦の初戦を白星で飾ったが、広島も勝ち、10ゲーム差は縮まらず。阿部は「一個も負けられないつもり。食らいついていく」。執念を前面に押し出し、首位を追走する。