菅野直球&スライダー空振り率大幅上昇

 4年目を迎えた巨人・菅野智之投手(26)が、驚異的な投球を続けている。ここまで11試合に先発し、5勝1敗、防御率0・61。チーム状況で勝ち星こそ伸びていないが、スーパーエースの領域に足を踏み入れた。難攻不落となった右腕の進化を、他球団の選手の声を中心に検証する。

 今季の菅野についてライバルの多くが口にするのが、直球とスライダーの進化だ。ヤクルト・雄平が「直球もスライダーもワンランク上がった」と言えば、広島・安部も「直球は威力が増し、スライダーは直球の軌道からグッと曲がる。極端に言えばボールが消える感じ」と証言する。

 データにも表れている。被打率はスライダーが・106と最も低く、直球も・188。直球の空振り率は昨季6・3%から今季13・1%、スライダーも13・9%から18・3%に上昇。威力や切れが増したことが分かる。

 オフに腕回り、指の力を強化。リリース時の力が増し、直球のスピン量が増した。スライダーもよりベース寄りで急激に曲がるようになった。菅野自身もキャンプ時から「スライダーは4年間で一番いい」と、手ごたえを口にしていた。

 広島・田中は、今季の初対戦時に菅野の変化を感じたという。「昨年は少しかわしてうまく投げようという感じがあったんですが。初回、外にボール気味の直球かスライダーかなと思っていたら、内角ぎりぎりに直球を投げられた。それだけ自信を持っているということなんでしょう」。

 今季の直球は、多少甘くても空振りやファウルが取れる。強気に勝負できることで制球力も向上し、88イニングで四死球は10個。DeNA・筒香も「全球種が強くなっているし、制球も良くなっている」と語る。

 直球、スライダーを生かすのが、その2つの球種とほぼ同じ割合で投げているワンシームだ。某球団スコアラーは「ワンシームは直球より速い時もある。内角と外角、ベース盤を広く使ってくるので対応が難しい」と頭を抱える。

 研究熱心で、妥協は許さない性格。菅野は「まだまだ良くなると、自分自身に期待している」と、満足する様子はない。シーズン防御率0点台の偉業は、戦後では70年の阪神・村山実のみ(0・98)。伝説の再現を、今年の菅野なら成し遂げてしまうかもしれない。

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