「ファウルで失明」控訴審ハム賠償減額

 札幌ドーム(札幌市)の内野席でプロ野球観戦中にファウルボールが当たり右目を失明した女性が、日本ハムと札幌ドーム、札幌市の3者に約4650万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁(佐藤道明裁判長)は20日、一審判決から減額し、球団に約3357万円の支払いを命じた。札幌ドームと札幌市への請求は棄却した。

 札幌高裁が日本ハムに賠償を命じた控訴審判決は、女性側が欠陥を主張した球場設備については「通常の観客を前提とすれば安全性を欠いていたとは言えない」と指摘した。また「打球の行方を見ていなかった女性にも2割の過失があった」と認定。一審札幌地裁判決を変更し、日本ハムのみに約3350万円の賠償を命じ、球場を管理する札幌ドームと所有する札幌市への請求は棄却した。

 判決理由で佐藤裁判長は、日本ハムが小学生を招待した企画に保護者として付き添っていた女性には、野球の知識がほとんどなかったとして「日本ハムは打球の危険性を告知し、小学生と保護者の安全に配慮する義務があったが、十分尽くしたとは認められず、損害賠償の責任を負う」と指摘した。

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