日本ハム・大谷の新球にパ007悲鳴

 「練習試合、日本ハム12-2KIA」(24日、名護)

 日本ハム・大谷翔平投手(21)が24日、韓国・KIAとの練習試合に先発し、“新球”チェンジアップに手応えをつかんだ。3回を投げ、1安打5奪三振で無失点。チェンジアップはこの日投じた全50球中わずか2球だったが、空振り三振も奪い「最初にしては悪くない」と及第点。怪物右腕がまた一歩、階段を上った。

 4年目を迎えた二刀流右腕が、さらなる進化を披露した。三回2死から対戦したKIAの2番で左打者の李仁行に対し、カウント0-1からチェンジアップを連投。1球目は見逃しストライク。2球目でバットに空を切らせ「最初にしては悪くないと思います」と冷静に振り返った。

 以前試したことはあったが、昨季は公式戦で投じることのなかった“新球”。「全体的に良くなかった」という投球内容の中、その効果を実感した。「カウントも取れて、空振りも奪えた。しっかり(コースに)決まれば使える」。シーズンでの使用に、手応えを得た。

 目の前で進化ぶりを見せつけられたライバル球団のスコアラー陣は、一様に困惑の表情を浮かべた。開幕戦でぶつかるロッテ・高木スコアラーが「普通でも打てないのに…」と苦笑いを浮かべれば、楽天・関口スコアラーも「面倒くさくなるね」と表情が曇った。

 この日はホームから中堅方向へ強風が吹く中でのマウンド。「向かい風が強くて、(開幕戦の舞台の)QVCマリンに似ている」と開幕の“予行演習”と捉え、「いい練習になりました」と充実感を漂わせた。この日の最速は153キロにとどまったが、大きな収穫を得た今季日本初マウンドとなった。

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