高松商センバツ当確!名門20年ぶり復活

 「高校野球・秋季四国大会・準決勝、高松商6-5済美」(31日、鳴門オロナミンC球場)

 準決勝2試合が行われ、春夏合わせ全国制覇4度の名門・高松商(香川)が、済美(愛媛)を1点差で下し、20年ぶりの聖地となる来春センバツ出場に当確ランプをともした。俊足の1番・安西翼外野手(2年)が5打点の活躍で、26年ぶりの決勝進出を引き寄せた。明徳義塾(高知)との決勝戦は1日に行われる。

 春夏合わせ甲子園出場44回。戦前から四国の高校野球をリードしてきた名門校が、長く閉ざされていた聖地への扉をこじ開けた。済美との接戦を制して決勝進出。20年ぶりのセンバツ出場を確かなものとすると、高松商ナインは跳び上がって喜びを分かち合った。

 初回に3点を先制されても動じなかった。直後の二回に1点を返し、なおも2死満塁のチャンスで1番・安西が「流れを持ってきたかった。思い切り振った」と左中間に走者一掃の逆転三塁打。5-4の五回に同点に追いつかれたが、六回1死三塁から安西が中堅に犠飛を放って勝ち越しに成功した。50メートル5秒9の切り込み隊長は、5打点の大活躍で勝利を呼び込んだ。

 「初回の3点で負けたと思った。よく打ち返しました」。就任2年目の長尾健司監督(45)がナインの粘りをたたえた。

 県内の中学野球部を率いて2度の全国大会出場経験がある指揮官。昨年春に就任すると、「全国で通用するチーム」を目指し、96年を最後に聖地から遠ざかる名門野球部を“改革”した。

 自主性を重んじる指導スタイル。「自分たちで考えた結果の間違いは、価値ある間違い」と話し、ミスを責めることはない。攻撃野球を指向し、練習時間の大半を打撃に費やす。毎日、選手全員と「野球ノート」を交換。メンタル面のアドバイスにも力を注いだ。

 復活を願うOBや学校関係者の思いも実った。一昨年夏に野球部OB会が募金活動を行い、約4000万円をかけて念願の室内練習場が完成した。ナインは雨天時だけではなく、朝練や全体練習後の自主練習にも利用。2台のマシンで、打撃強化に励んできた。

 「たくさんの人に応援していただいた。感謝しかない」と長尾監督。主将の3番・米麦圭造内野手(2年)は「つなぎの野球が自分たちの持ち味。次もそのスタイルで勝ちたい」と表情を引き締めた。決勝の相手は明徳義塾。強敵を相手に26年ぶりの四国制覇を狙う。

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