オリ平野恵「本当に幸せな14年間」

 今季限りでの現役引退を発表したオリックス・平野恵一内野手(36)が25日、京セラドーム大阪で会見した。「本当に幸せな14年間。ファンの皆さま、支えてくださった方々に感謝したい」と語った。11月23日に京セラドーム大阪で開催するファンフェスタで引退セレモニーが行われる。

 さわやかな表情だった。「やり残したことはない。常に200%、300%、1000%でやってきたつもり」と平野恵は自らの野球人生を振り返った。

 今季は5月下旬に右かかとを痛め、連なるように足全体を痛みが襲った。終わってみればシーズンの半分以上を2軍で過ごした。

 「頭と心は強い気持ちだが、体が限界。小さい体は頑張ってくれたが、もう許してあげようと」

 オリックスと阪神で通算14年。思い出として「プロ入りした時の両親の喜んだ顔」と「フェンスに激突し、大けがした時」を挙げた。

 プロ5年目の06年、5月6日のロッテ戦で、ファウルフライを追って一塁フェンスに激突。胸部軟骨損傷、右腰肉離れなどの大けがを負った。「車いすで自宅に戻った時は命の危機を考えた。でも必ず復活する気でリハビリし、復帰戦で受けたファンの歓声は忘れられない」。阪神移籍後の08年には、カムバック賞に輝いた。

 けがをした06年にオリックスの監督を務めていた阪神・中村GMが23日に死去。「恩返ししたい一人だった。とても残念です」と沈痛な表情を浮かべた。

 今後については、野球以外の仕事も含め熟考する。瀬戸山隆三球団本部長は「将来のことは彼の気持ちを聞きながら、ゆっくり話し合いたい」とした。

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