オリックスの新人９選手が２１日、ヤンキースからＦＡになったイチロー外野手（４１）が練習を行っているほっともっと神戸を訪問。例年はあいさつのみで終わっていたが、今年はイチローの求めに応じて野手陣が打撃練習を行うなど、実りある一日になった。

　イチローが新人たちの緊張を解きほぐした。恒例の自己紹介。ドラフト２位の宗（横浜隼人）を川崎宗則（ブルージェイズ）になぞらえて「ムネじゃん！！」とイジると、硬直していた９人の顔が一気に和らいだ。

　サプライズもあった。「ムネ、行ってみようか」というイチローの一声で、イチローのバット、手袋を使用しての打球練習がスタート。７位・西野（ＪＲ東日本）、８位・小田（日本生命）も続き、天才打者の前で現状の力を爆発させた。

　唯一の外野手である小田はキャッチボール相手にも指名された。「腕のしなりがすごい。１球目から強い球が来て、張り合って僕も強く投げました」と小田は余韻に浸った。

　イチローの大ファンである宗は、コーチを通じて手袋をもらおうと画策したが失敗。それでも「夢か幻かという感じでした」と興奮冷めやらぬ様子だった。

　チーム関係者も「見たことないです」と話したイチローと新人との“合同トレ”。幸運な特別研修を経験したルーキーたちにとっては、一生忘れられない一日になったはずだ。