中田が悔し涙…日本ハム下克上あと1歩

 「パCSファイナルS第6戦、ソフトバンク4-1日本ハム」(20日、ヤフオク)

 一人の主役が、終戦を迎えた。目を真っ赤にして、終戦を受け入れた。CS最多の5本塁打を放った日本ハム・中田は「悔しい。監督を胴上げしたかった」と声を絞り出した。

 初回2死二塁で捕邪飛、六回無死二塁で見逃し三振。2度の好機に、主砲の仕事を果たせなかった。「きょうが一番大事な試合。そういうゲームで勝てなかった。自分の力のなさを感じた」

 栗山監督は主砲の姿に目を細めた。「(中田)翔自身が一番いろいろ感じてくれたCS。自分の中にあるすごさに気付けたんじゃないか。この涙は、いい涙。忘れないでほしい」。さらなる成長の兆しを感じ取った。

 最後まで王者を追い詰めた。「チームは前進している。この経験を無駄にしたくない」。投手陣、打線も、若手が奮闘した。その事実が、強くなる要素になることを確信した。

 悲しみに暮れる主砲は「課題といっても、終わったばかりなので考えられない」と視線を落とす。来季の日本一へ、この悔しさを、この涙を糧にする。

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