E松井裕「人生初」入魂の1球ホールド

 「オリックス1‐2楽天」(14日、京セラ)

 まさに一球入魂の勝負だった。楽天ドラフト1位の松井裕(桐光学園)が七回2死から4番手として登板し、1球でペーニャを料理した。「人生で2球はあるけど1球は初めてです」。苦笑いを浮かべながら、1点差勝利に貢献した。

 リーグ本塁打数トップの怪力男を、120キロのチェンジアップで二飛に仕留めた。3番手の左腕金刃からのスイッチ、しかも相手は右打者のペーニャ。珍しい起用だが、初勝利を挙げた今月2日の試合でも登板したのはペーニャの場面。大久保監督代行はあえて理由を明かさないが、大砲対策を「安心して見てられる」と言う。

 物静かに見えるが、内面は熱血漢で、チームの団結力を描いた作品を好む松井裕。春先に則本や星トレーナーから、大人気マンガ「スラムダンク」を勧められた。2日間あったオフに全31巻を大人買いして読破。「止まらなくなって、あっという間に読みました」。好きなキャラは主人公の「桜木花道」。「熱いところがいい」と語る。

 この日も自身の1球ホールドより「前の先輩方が必死につないでくれたので、走者なし、いい場面で投げられた」と仲間に感謝した。増えていく登板数と、高まる経験値。それに比例して、チームの信頼度も上がっていく。

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