中日ドラ2又吉「瞬間視」で驚異の数値

 中日のドラフト2位、又吉克樹投手(23)=四国IL香川=は浅尾並みの視力の持ち主だった。19日、ナゴヤ球場に隣接の屋内練習場で、合同自主トレ参加者を対象とした視力検査を実施。0・02秒間だけ表れる数字を読み取る「瞬間視」という項目で、驚異の数値をたたき出した。

 浅尾に匹敵する素質の持ち主かもしれない。キクチメガネによる視力検査は今回で12年目。毎年分析を担当している日本オプトメトリック協会の加藤一幸さん(55)は、又吉の瞬間視に驚きの表情をみせた。

 「これはすごい値ですよ。投手でこれだけの数値はほとんど見たことがありません。野手の場合、速い球を見慣れているので、いい結果が出る傾向があるんですが」

 瞬間視とは一瞬だけ見えるものを判別する力。この日の検査は2・5メートル離れた画面に6桁の数字が0・02秒間表示された。1文字当たりの大きさは約10センチ。これを5度繰り返し、正答率を測った。6桁を5度だから、数字は全部で30個。「一般人なら6割合っていればいいほう」(加藤さん)というなか、又吉は29個も正解した。これは浅尾と同等だという。

 加藤さんによると、投手の場合、瞬間視が最も生きるのはフィールディング。打球の方向や強さを素早く判断し、動くことができる。即戦力期待のドラフト2位ルーキーは、11年にゴールデングラブ賞を獲得し、リーグMVPにも輝いた右腕並みの実力を持っている可能性がある。

 実際、又吉はフィールディングを得意にしてきた。沖縄・西原高までは主に内野手だった。環太平洋大、四国IL時代では奇策も使ってきた。苦手な打者を四球などで歩かせ、次の打者にわざと送りバントをさせる。そして持ち前の守備力を生かし、投ゴロ併殺を狙う。

 「バントしようとしている打者に内角高めに遅めの球を投げると、投手前に転がってくることが多いんです。大学時代のコーチに教わった方法です。成功率はわかりませんが、かなりゲッツーは取れていました」と胸を張る。「プロでもランナー一塁の場面でバントされたら、積極的にゲッツーを狙っていきたいですね」と意欲満々だ。

 加藤さんによると、瞬間視はフィールディングだけでなく、投手としての実力そのものにも影響する。「身体能力も高いはずです。物を認知するまでの時間が早いわけですから」。最速148キロを誇るサイド右腕の潜在能力の高さに太鼓判を押した。

 又吉は視力検査の前には17日に続く、合同自主トレ2度目のブルペン入りもした。捕手を立たせたまま、26球。「視力検査でこういう結果が出るとは思わなかったですが、いい評価をもらってうれしい。生かせるように頑張ります」。目標は新人王。練習でしっかり力を蓄え、高い素質を開花させたいところだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス