正捕手でV貢献・嶋は号泣「報われた」

 「西武3‐4楽天」(26日、西武ド)

 涙が止まらない。ついに迎えた歓喜の瞬間。楽天・嶋は両手を突き上げ、マスクを放り投げた。マウンドへ駆け寄り、田中と熱い抱擁を交わす。「時間が止まったように感じた。しんどい時もあったが、今日の優勝で報われた」。あふれ出る涙を何度もぬぐった。

 1点リードの九回、エースがマウンドへ上がった。「いつも通りにいこう」。二人の間に多くの言葉はいらなかった。最後の打者、浅村に対しては全球直球勝負。「今日の真っすぐなら押し切れると思った。あいつの力を信じた」。ウイニングボールをがっちりとつかみ捕った。

 「星野監督からはオープン戦から勝て、と言われてきた」。勝利にこだわり、突っ走ってきたシーズン。この夜も同じだった。2点を追う七回。ジョーンズが逆転打を放った場面ではベンチを飛び出し、我を忘れて右腕をグルグルと回した。

 昨季は岡島の台頭もあり、91試合の出場にとどまった。「自分は必要とされているのか」。迷いが生じた時期もあったが、開幕から正捕手の座を守り、優勝に貢献した。涙の理由を問われると「いろんな面もありますが…。捕手として頑張ってきたので」と、少しだけ胸を張った。

 2011年、日本が悲しみにくれた東日本大震災が発生。復興支援で行われた慈善試合のスピーチで「見せましょう、野球の底力を」と叫んだ。あれから3年目のシーズンを迎え、まさに底力でつかんだ初優勝。東北へ勇気と希望を送り届けた嶋は「長いようで短かった。ファンも優勝を望んでいた。結果で見せるのが一番だった」と、感慨に浸った。

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