マー君、7回無失点で日本新開幕16連勝

 「楽天5‐0ソフトバンク」(9日、K宮城)

 楽天・田中将大投手(24)が9日、仙台市のKスタ宮城で行われたソフトバンク(15)戦に先発し、7回無失点でプロ野球新記録となる開幕16連勝を飾った。昨年8月26日からは20連勝となり、1951~52年の松田清(巨人)と57年の稲尾和久(西鉄)がマークしたプロ野球記録に並んだ。チームは5‐0で勝ち、貯金を今季最多の20とした。

 プロ野球の歴史を塗り替えた。お立ち台では「みんなの力、ファンの方の声援もそうですし、皆さんに感謝です」と、歓声を浴びた。開幕から16連勝。田中がプロ野球史上、誰も成し遂げていない域に達した。

 七回1死三塁のピンチでは、マウンドに野手が集まった。星野監督の指示は「将大の好きなように守らせろ」だった。エースはここで前進守備を要求。1点は仕方ないとするなら、守備範囲が広くなるように深く構えるケースが多いが「点差が広がっているからって、点を与えることは何も気持ちいいことじゃない」ときっぱり。江川を空振り三振、ラヘアを中飛に仕留め無失点。ピンチでギアを上げる。今季のマー君の真骨頂だ。

 憧れの存在と語る斉藤氏には、15連勝で並んだ際に電話で言われた。「ここまで来たら絶対に抜け!」。有言実行の大偉業。しかも、斉藤氏のいたホークス相手に成し遂げた。「間柴さんに(15連勝で)並んだのも(間柴氏が在籍した)ファイターズですよね。斉藤さんがホークスで。感じるものはありますね。きょう、野球(8月9日)の日ですしね」。田中の上った階段には、名投手との不思議な縁があった。

 星野監督は「すごいね。想像つかないね。偉大な投手に巡り会えて、幸せに思います」と、これまでに表現したことのないくらいの賛辞をマー君に送った。田中の登板日は、采配をふるう側も緊張するという。「オレと同じように(田中を負けさせまいと)みんな緊張しとる。でもそれが、いい効果を生んでる」と闘将。まさにチーム一丸。今のチームの強さの根源は、ここにある。

 お立ち台では、すぐに表情を引き締めた。「偉大な方と肩を並べてうれしいけど、目標はそこではないので、また次、しっかりと切り替えてやっていきたい」。次戦もプロ野球新記録がかかる、21連勝に挑戦。優勝という道のりの途中に、マー君の大記録がある。

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