阪神・工藤 新球・シュート習得だ!秋季キャンプで初ブルペン 苦手右封じへ内角えぐる 実りの秋で来季無双「頑張ります!」
「阪神秋季キャンプ」(3日、安芸市営球場)
阪神・工藤泰成投手(24)が3日、高知県安芸市で行われている秋季キャンプで初めてブルペン投球を行い、新球・シュートを試投した。球を受けた片山ブルペンコーチは今後の精度向上に期待。今季は対右打者への被打率が左打者より高く、習得できれば大きな武器になる。直球も、この時期に150キロを計測。虎の抑えに成長した若武者は実りの秋を過ごし、来季への準備を整えていく。
明るい表情を見せながら、工藤が球種を告げていく。祝日とあって、多くのファンが詰めかけた安芸のブルペン。「真っすぐ、いきます!」「カット、低めに!」「左のインハイ!」など明確な意図を持って、現状把握に努めた。そんなさなか、新鮮味のある言葉が聞こえた。「シュート、いきます」。今シーズン投げていなかった新球を3球投げて、感触を確かめた。
“試運転”の段階で本人も「まだ練習中です」と控えめ。それでも、そのうち1球は速い球速帯で利き手方向に大きく曲がっていった。球を受けた片山ブルペンコーチは「相手打者も嫌がるかもしれないし、練習あるのみです。これから楽しみ」と今後の精度向上に期待を寄せた。
今季は57試合に登板して3勝1敗、13ホールドで12セーブ。後半戦から抑えを任されて連覇の原動力になったが、改善の余地もある。被打率は対右打者が・226で、対左打者の・183よりも高い。シーズン全体で許した二塁打7本のうち、6本が右打者だった。
他球団の強打者との対戦成績を見てもDeNA・牧には・429、中日・細川が・333。一般的にシュートは右打者にとって最も厄介なボールと言える。シュートを完全習得できれば、右打者を踏み込ませない利点も生まれる。常時150キロ台中盤を計測する剛腕が新たな武器を手に入れられれば、まさに“鬼に金棒”。今季以上の無双に期待が膨らむ。
投球練習の中盤には、直球を捕球した片山コーチが突き指をする場面もあった。投げた直球のうち、150・8キロを計測する球もあり、同コーチは「手が痛い」と苦笑いを浮かべていた。100%の出力ではない初ブルペン。その上、長いペナントレースを戦い終えた11月に150キロ台を計測した事実が、工藤のすごさを物語っている。
昨年の秋季キャンプでは1日に300球の投げ込みを敢行。反復練習でフォームの再現性を高めて飛躍への土台を築き上げた。チーム内のポジションを確立させて高知に戻ってきたが、現状維持に満足しない姿が頼もしく映る。「頑張ります!」と短い言葉で意気込んだ工藤。リーグ3連覇を狙う来季へ、虎視たんたんと牙を研いでいく。
