阪神・近本 先頭弾で優勝M点灯王手 29日に勝てば23、ドローでも24 巨人に先勝で2・5差

 「阪神4-1巨人」(28日、甲子園球場)

 響き渡る大歓声と、黒土と芝生の香りが猛虎の本能を目覚めさせた。長期ロードを終え、帰ってきた甲子園での首位攻防第1ラウンド。阪神の勝利を導いたのは近本光司外野手(31)の一発だ。初回、右翼ポール際に3号アーチ。24年5月以来、自身12本目の先頭打者弾で連勝に貢献し、巨人とのゲーム差を2・5に広げた。29日に勝つか引き分けで、優勝マジック「23」か「24」が点灯する。

 タテジマ戦士の帰還を待ちわびた甲子園に、熱気の渦が広がっていく。近本の打球がスタンドインした瞬間、波及した興奮が歓喜に変わる。「ゾーンに来たら振ると決めていた」。機先を制し、勝利への道筋を照らした弾道は今季初の先頭打者本塁打。首位攻防3連戦の初戦で、実力者たるゆえんを見せつけた。

 「チームを勢いづける打席にしたいと思っていた」とハワードの内角高めスライダーに反応。右翼方向に伸びた白球は、そのままポール際へ吸い込まれた。「自分でもビックリしていた。あのコース、球種を捉えて飛んでいったことはイメージしていなかったので」と決して狙い球ではなかったものの、最高の結果につなげてみせた。

 先頭打者本塁打は24年5月10日・DeNA戦以来通算12本目。今岡誠に並ぶ、球団4位に浮上した。特筆すべきはチーム別の本塁打数。通算本塁打数は51本で、巨人戦は最多の16本。今季も3発中2発が巨人戦と、宿敵相手に牙をむいている。

 チーム成績からも、その存在の大きさが明確に分かる。4月26日に左手首を骨折。近本が離脱する前のチームは15勝8敗1分けで、離脱中は26勝27敗と黒星が先行した。だが復帰後は24勝14敗。離脱期間に負け越していた猛虎が、リードオフマンの復帰とともに貯金を10個も作っている。森下、佐藤輝の30発コンビに負けず劣らず、太い柱として躍動している。

 背中を押してくれるイベントもある。出身地の淡路島、自主トレ先に沖永良部島の子どもたちを応援する「子ども夢応援プロジェクト」が今年も開催。計16人の少年少女が29日の一戦を現地観戦する。「甲子園に触れてみて、いろんなものを感じると思う。ファンの人の熱気とかはテレビでは伝わらないと思うので、そういうところを感じてもらえたら」と呼びかけた。

 勝利の立役者について藤川監督も「非常に大きかったですね。空気がパッと晴れたような一発でした」と賛辞を惜しまなかった。巨人とのゲーム差は2・5となり、最短で29日にも優勝マジックが今季初点灯する。「毎日打ち方もアプローチも違う。その中で、たまたま結果が出ただけ。チームが勝てるように貢献していきたい」と次戦を見つめた近本。歓喜の秋を目指して、コツコツと快音を打ち鳴らしていく。

 ◆巨人キラー 近本の初回先頭打者本塁打は通算12度目。うち巨人戦では5本目で、対戦相手別最多だ。また通算本塁打51本中、巨人戦16本もカード別最多。

 ◆引き分けでもOK 阪神は29日の巨人戦の結果次第で、今季初めて優勝マジックが点灯する。○ならマジック23、△なら24となる。

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