阪神・前川 最終戦で今季1号 2年目のジンクス「ふがいない成績」来季へ弾み
「阪神6-2ヤクルト」(2日、甲子園球場)
静まり返る甲子園のダイヤモンドを、独り占めした阪神・前川右京外野手が勢いよく一周する。実にシーズン143試合目、最終戦で生まれた待望の今季1号3ラン。超満員のスタンドから呼ぶ声が聞こえる。「右京、右京」-。“2年目のジンクス”にぶち当たった1年。最後の最後で長いトンネルに光がさした。
1点リードの三回2死一、二塁。1ボールから2球目を狙った。外寄りの141キロをフルスイングすると、芯で捉えた打球が右中間に伸びる。浜風は秋になって追い風に変わっていた。今季出場69試合、207打席目の1号。ベンチに戻るとガッツポーズを繰り返した。
「1年のシーズンは今日で終わりましたが、トータルで見たらやっぱりふがいない成績。その中で最後に打てたのは、ひとつ良かったかなと思いますね」。喜びよりも悔しさが募る試合後、必死に気持ちを前に向けた。開幕スタメンをつかんだ4年目は打率・246、1本塁打、15打点で終了。それでも0を1にできたひと振りが来季の光になる。
前日1日には同期入団の森木が戦力外通告を受けた。この日は「入団当時からずっとお世話になった」という原口の引退試合。惜別のアーチに思いを込めた。「人間的にも野球人としても尊敬することばかりでした。本当に感謝しかないです」と前川。終わりから始まる日本一への道。復調した姿でミスター・オクトーバーに名乗りを上げる。
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