阪神 優勝後も消化試合ではないことを証明した湯浅の涙目 ベンチ最前列で祈るように戦況見守る

 「広島2-7阪神」(18日、マツダスタジアム)

 阪神・湯浅京己投手が六回から4試合ぶりにマウンドに上がった。先頭のモンテロを148キロ直球で見逃し三振。続く末包も148キロ直球で右飛に仕留め、わずか5球で2アウトまでこぎ着けた。

 だが、菊池を四球、佐々木には左前打を浴びて得点圏に走者を背負うと、代打・坂倉には制球を乱して四球。2死満塁のピンチを迎えたところで、藤川監督は及川へのスイッチを決断した。

 悔しそうにベンチに引き揚げた左腕。ベンチ最前列でグラウンドを見つめる瞳には涙がたまり、今にもこぼれ落ちそうなほどだった。イニングを全うできなかったふがいなさが、胸を締め付けていたのだろう。

 祈るように見つめた先で、及川が代打・秋山を見逃し三振に仕留めると、湯浅は誰よりも早くベンチを飛び出し、ピンチをしのいでくれた左腕をねぎらった。

 9月7日に史上最速でリーグ優勝を決め、その後の試合は消化試合になりがちな中、湯浅が見せた表情は、きたるべきCSファイナルS、そして日本シリーズに向けて、強力な救援陣のひとりとしてベンチ入りするため、今もなお激しい戦いに身を置いていることを証明したような姿だった。

 湯浅は国指定の難病「胸椎黄色靱帯骨化症」を克服し、今季は39試合に登板して4勝4敗22ホールド、防御率2・60の成績を残している。

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