阪神・森木 制球力向上へ試行錯誤 今季育成契約の21年度ドラ1「目標は来年の春のキャンプで支配下」
阪神2軍の注目選手を取り上げる企画「飛び出せ大物」。第10回は森木大智投手(22)を取り上げる。21年度ドラフト1位で入団した右腕は4年目の今季、育成選手としてシーズンを迎えた。悔しいキャリアを過ごしている理由は、制球力の悪化が原因。支配下再契約に向けて課題を克服する右腕の現在地に迫る。
今年から「120」の新しい背番号を付けた森木はもがき苦しんでいる。育成契約となった今季、ウエスタンで主に中継ぎとして、14試合に登板して防御率13・81。原因は制球力だ。14回1/3を投げ、投球回を上回る24四死球を記録している。なぜ、このような状態となったのか、右腕は赤裸々に語った。
「長期的な計画だったんですけど、その中でエラーが起きて試合の中で出てしまった」
昨季から与四死球率が上昇し、制球力を乱す試合が増えてきた。そんな中、トレーナーとともに、どこが悪くなったのか確かめる期間を設けた。結論は明確だった。
「トップの位置をなるべく頭の位置に近づけることでした」。投球の際に振り上げた右手が頭から離れていたことが、制球を乱した原因だった。
離れていると、投球の際に手が外旋してリリースポイントが体から遠い位置になり、ボールをコントロールするのが難しくなる。トレーナーと二人三脚でおでこにボールを当ててから投げる練習を行い、投球の映像もチェック。「そこからは安定してきた」。積極的に取り組み、修正した。
今春の具志川キャンプでは、「これならいける」と手応えを感じていた。シート打撃でも問題なくストライクが入った。
ここで森木が「僕の悪い癖でした」と語ったのは「もっとコーナーを突くようにしよう。もっと強い球を投げよう」と欲が出たことだった。投球時の手の位置は修正できたが、今度は頭が突っ込んでフォームが崩れた。
顕著になったのが3月後半。体重移動や姿勢を直したり、微調整で元に戻そうとしたが「どうやったらストライクがいくんだって感覚が分からなくなった」。そのまま開幕を迎え、平均球速が落ち、四球を連発。元の姿に戻ってしまった。現在もストライク率の向上を掲げ、コーチと映像を確認しながら、試行錯誤を繰り返している。
「一番の目標は来年の春のキャンプで支配下を取り戻すことです。しっかりとゾーンで勝負して、真っすぐの球速帯も平均150ぐらいまで上げていきたい」。輝いていた時期の投球へ戻すため、勝負の秋へ向かう。
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