【糸井嘉男氏の眼】阪神・大山の読みと集中力と経験値が凝縮された本塁打

 「阪神6-1広島」(5日、甲子園球場)

 阪神・大山悠輔内野手(30)が同点の初回無死満塁から9号グランドスラムで勝利を導いた。デイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(44)は「読みと集中力、経験値が凝縮された見事なホームラン」と手放しで称えた。

  ◇  ◇

 ナイスゲーム!初回の攻撃が全てでしたね。

 先頭の近本選手がフォアボールで出塁するなど、それぞれのバッターが自分の役割を果たした結果です。初回から打者一巡の攻撃なんて、なかなか見られませんね。相手の意欲をたたきつぶすような攻撃、優勝争いをする中で、みんなが集中力を研ぎ澄ませて準備をしていましたね。

 その中でも「5番・大山」に尽きます。前の打者にフォアボールを出したことで、相手ピッチャーとしても心理的にボール球から入りづらかったはずです。それを逃さず一発で仕留めた。大山選手の読みと集中力、経験値が凝縮された見事なホームランと言えるのではないでしょうか。

 その前の打席のテルのフォアボールも忘れてはいけません。打ち気にはやる場面でしたが、しっかりとボールを見極めました。「ナイスアイ」!今までなら手を出していた外に逃げるボール球ですが、今のテルにはバットが止まる技術と余裕があります。大山選手のホームランを呼んだとも言えるフォアボールでした。

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