阪神・森下 20号到達!生え抜き右打者入団3年目以内到達は岡田以来44年ぶり「最低ノルマは一つクリアしたかな」

 「中日5-2阪神」(3日、バンテリンドーム)

 敗れはしたが、尾張の虎党を沸かせた。阪神の森下翔太外野手(25)が1-4の六回、先頭で左翼席へ20号ソロを放った。球団生え抜きの右打者で、入団3年目以内の20本塁打到達は1981年の岡田彰布以来44年ぶり。バンテリンドームではプロ初アーチだった。連勝は3で止まり、優勝へのマジックは「6」のまま。Vへの歩みは小休止となった。

 節目のアーチは“鬼門”でかけた。大歓声が祝福のように降り注ぐ中、森下は表情を変えない。いつものようにホームベースで手をたたき、仲間と喜びを分かち合った。

 「まず最低のノルマは一つクリアしたかなと思います」

 逆転を許した直後の六回先頭だった。大野に対し3ボールとなると、「コースだけ絞って」と高めの直球を振り切った。左翼手は足を止める。白球は虎党の待つ左翼スタンドに飛び込んだ。反撃ののろしを上げる一撃は自身初の今季20号に、バンテリンドームではプロ3年目で初アーチとなった。

 昨年11月10日、「プレミア12」の強化試合チェコ戦では同球場で2ランを放っていたが、公式戦では初。セ・リーグ球場で唯一ホームランをマークできていなかっただけに「広い球場で自分自身も打てていなくて、あんまりイメージもわかない球場だった」という。

 その中でやっと出た一発。「1本出たことで感覚としても残っていますし。あの打席もホームランを狙いにいったわけではなくて、しっかり振った中で打ったホームラン。大振りにならずに自分のスイングを徹底してやっていきたい」と手応えは十分だった。

 また一つ歴史に名を刻んだ。球団生え抜き右打者で、入団3年目以内の20号は1981年の岡田彰布以来44年ぶり。実は岡田顧問の背中は森下にとっても一つ指標となっていた。岡田顧問がプロ5年目までに放った最多本塁打が20本。それを認識していた森下は「これは超えたい」という気持ちを持って臨んできた。

 今季はすでに打点でもキャリアハイをマークしており、本塁打数も大台に乗せた。21試合を残し、この日の一発で昨季の126安打にも並んだ。進化を見せる森下だが、「25本って最初から言っていたので。そこに向けてまだ試合数はあるんで、伸ばしていきたい」とさらなる高みを目指す。

 チームは敗戦し、マジックは6のままとなった。4日は今季最後のバンテリンドームでの試合。5勝6敗と唯一負け越している“鬼門”で最後は勝って終わりたい。「明日勝てばマジックを減らすことができるので、また切り替えて頑張ります」。勢いづいてきた背番号1が歓喜の日までチームを引っ張っていく。

 ◆1949年以前の阪神生え抜き選手のプロ初20号到達シーズン 1949年以前では、別当薫(右打ち)が入団2年目の49年に39本塁打。藤村富美男が入団14年目の49年に46本塁打を記録している。

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