狩野恵輔氏 阪神・高寺は「厄介なバッター」捕手目線で弱点感じない 課題は「経験の部分も大きいと思います」

 昨季まで阪神の投手コーチを務めた福原忍氏(48)と、グラウンドに足しげく通う狩野恵輔氏(42)のデイリースポーツ評論家2人による企画「注目の若虎」。第5回は狩野氏がブレークの兆しを見せている高寺望夢内野手(22)を取り上げる。

  ◇  ◇

 高寺選手は以前から「バッティングが良い」とは聞いていましたが、高卒5年目の今季は評判通りの力を発揮していますね。

 捕手目線で見ると、だいたいの打者にはどこかに弱点を感じるものです。「内角が弱い」「真っすぐが弱い」「変化球が弱い」とか攻められるポイントがありますが、高寺にはそれがあまり見えないんですよね。

 内角高めの直球も振り負けずに引っ張るし、外の変化球もうまく流し打つし。どういう球に対してもしっかりとしたスイングができるから、ホームランを含めた長打が出ているのだと思います。

 バッテリーからすると、穴が少ないように見えるので、チャンスの時に打席に立たれると「バットに当てられるんじゃないか」「厄介なバッターだな」と感じると思います。

 5月13日・DeNA戦(新潟)では1点を追う九回2死からプロ初本塁打となる同点ソロを放ちましたね。ここぞという場面での勝負強さを見せたように、メンタルの強さも感じます。

 一時期、出番がなかった時に「なかなか試合に出られないね」と話しかけたことがあるのですが、「大丈夫。出たら、打ちます」と力強く返答がありました。自信がない選手だと「そうなんです、出られないんですよね」とマイナスな答えが返ってくるものですが、高寺選手はやるべきことをやってきた自信があるから、しっかりした返答ができるんでしょうね。

 内野手ですが、外野手の動きも問題ないと思います。外野だと内野と違って、大股で走ったり、全力疾走する機会も増えますけど対応できています。首脳陣からしたら、内野ならどこでも守れる器用さもありますし、ベンチに置いておいたら助かる選手だとは思いますが、これからもスタメンで頑張ってほしい選手だと思います。

 今後の課題としては、左投手への対応でしょうか。打率・143(14打数2安打)と苦しんでいます。ただ、これは経験の部分も大きいと思います。最近は首脳陣に「左投手でも高寺を使ってみたいな」を思わせるような活躍を見せていると思うので、経験を積むチャンスを与えられるのではないでしょうか。レギュラーをつかむためにも課題を克服していってもらいたいですね。

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