三冠王が現実味を帯びてきた阪神・佐藤輝と影の薄い?森下「カバーし合っているのは強み」と中田良弘氏
「阪神5-2ヤクルト」(10日、京セラドーム大阪)
阪神がヤクルト投手陣に16安打を浴びせ、才木の10安打完投で快勝した。打のヒーローは31号ソロを含む4安打2打点の佐藤輝。打率を・289へ上昇させる安定した打撃について、デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「これは本物だろう」と語り、三冠王への可能性にまで言及した。
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佐藤輝に対する投手の攻め方が難しくなってきている。高めの速い球で釣っておいて、フォークなど低めのボールゾーンで打ち取る。その“三振の方程式”が今年は通用していない。
この試合もヤクルトの先発投手である奥川らがいろいろとボールを散らしていたが、打ち取ることができなかったね。
(佐藤輝は初回二死二塁から一塁線を破る適時二塁打。三回は二死走者なしの状況で右中間席へ31号ソロ。五回は先頭打者として中前打。八回の5打席目は右線への二塁打で5打数4安打)
1打席目はスライダー系の変化球を右手一本で合わせにいったが、体は崩されていなかった。
2打席目のホームランは初球のカーブ。佐藤は球種を問わず、初球から積極的に打ちにいくタイプ。狙っていたわけではなく、甘いコースへの反応で勝手にバットが出たのだろう。
3安打目は外のフォークか。カウントで追い込まれていたが、追い詰められた様子は感じなかった。
4安打目はスライダーだから安打はすべて変化球ということになる。
もう少し速い球で攻めればどうなのかという疑問も沸いてくるが、一発の怖さが先に立つのかもしれない。そのため「ヒットならOK」という攻め方に変わってきているように思う。
佐藤自身「今年は技術の安定に伴って精神的にも安定している」と話していたが、確かに最近は打席の中での“ゆとり”のようなものを感じるようになってきた。
これで打率が・289まで上昇してきた。チームメートの近本が・291、中野が・290。
昨年まで好不調の波が激しく、首位打者争いに加わるなど思いもしなかったが、野球って分からないね。でもここまで高い打率をキープしている以上、これは“本物”と言えるでしょう。
(対照的なのが3番を打つ森下。この日は5打数ノーヒットで打率に限っては・258と低空飛行が続いている)
ただ、5番を打つ大山が調子を上げてきて、その分カバーしているから何とかなっている。大山が不調のころは森下がカバーしていたしね。
クリーンアップ全員が好調ということは、どのチームもあまりないのではないか。ただ、その中心にいる佐藤輝だけは浮き沈みがない。頼もしくなってきたね。
才木が完投し、チームとしては7試合ぶりに先発投手に勝ち星がついた。これはいいこと。7試合前も同じヤクルト相手の才木だったけど。
打線が先手を取って試合を進めたからこその先発勝利でもある。4番佐藤輝を軸に攻めた理想的なゲーム運びだった。
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