阪神・佐藤輝 連夜の4番打 また八回!千金同点タイムリー「すごい大きい勝ち」

 「中日2-3阪神」(6日、バンテリンドーム)

 ここで豪快な一発は必要ない。阪神・佐藤輝はピンポイントを狙い澄ましたように流し打った。鋭い打球が、がら空きの三遊間を抜ける。「いいところに飛んでくれて良かったです」。一塁上ではベンチに向かってガッツポーズ。一瞬で試合を振り出しに戻し、延長戦の勝ち越しへとつなげた。

 1点ビハインドの八回2死三塁。目の前で森下が空振り三振に倒れた後だった。相手ベンチは一呼吸置くために、投手コーチをマウンドへ走らせた。申告敬遠の可能性もある中、真っ向勝負。その初球だった。藤嶋の浮いたフォークを見逃さない。軽く当てるように打って、左前への同点適時打。相手右腕にがっくりと膝に手をつかせた。

 5日・中日戦は2点ビハインドの八回に逆転3ラン。この日は同点打と2試合連続で殊勲打を放った。9連戦の初戦を取って、いい雰囲気を壊すわけにはいかない。2打席目までは連続三振で六回も1死満塁で遊飛だった。「もう切り替えてはいました」。引きずらずに、ここぞの一本をたたき出した。

 バンテリンドームで練習が始まる前、佐藤輝はよく井上監督の元へ足を運ぶ。この日は三塁後方で及川とともに談笑。新人時代に愛情を持って接してくれたのが、当時ヘッドコーチの相手指揮官だった。

 4年前の8月5日にはマンツーマンで打撃指導を受けた。授かったのは「振らないことも勇気」という言葉。ルーキー時代は豪快なフルスイングが魅力だったが、三振も多かった。同点適時打は教えを体現したかのような打撃。一塁ベンチではかつての教え子を悔しそうに見つめる、井上監督の姿があった。

 逆転での連勝。シーズン序盤にやられた同一カード3連敗の借りを返す時がきた。「今日もすごい大きい勝ちだと思いますし、また明日ですね」。バンテリンドームが“鬼門”というのも過去のこと。波に乗った虎の4番を止めることはできない。

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