【岡義朗氏の眼】阪神・大竹は緩急でマジックのような投球 七回無死満塁で代打・野間への初球ストライクはさすが

 「阪神1-0広島」(29日、甲子園球場)

 阪神は“鯉キラー”の大竹耕太郎投手(30)が7回無失点で6勝目を挙げ、チームとして1981年以来、44年ぶりの対広島9連勝となった。後半戦負けなしの3連勝で、貯金も今季最多を更新する「21」に。中日が勝ったため、優勝マジック点灯は30日以降にお預けとなった。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「七回無死満塁で大竹がさすがと思わせる投球を見せた」と称賛した。

  ◇  ◇

 大竹がさすがと思わせる投球を見せた。七回無死満塁で、代打・野間を迎えた場面だ。

 前打者の矢野には死球を与えている。四死球で招いたピンチの初球は、打者に狙われやすいため入り方は気をつけたい場面だ。

 だが、大竹は「野間が初球は振ってこない」というデータがあったのだろう。逆球ではあったが、割り切って初球でストライクを取ったことが、投ゴロ併殺につながったと思う。

 五回まではマジックのような投球だった。大竹を苦手とする広島は、ミーティングをして対策を立ててきていたと思う。それでもクイックから緩いボールを投じるなど、球種とフォームのかけ算の緩急でタイミングを外して、まともにスイングさせていなかった。

 打線は初回の1点だけだったが、阪神らしい攻撃だった。先制打の大山もカウント3-1となって勝負を避けられる可能性もある中で、集中力を切らさずによく打った。それと、大山の前を打つ佐藤輝が2球で追い込まれた後に四球を選んだことにも価値があった。

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