阪神・高橋遥人 今季初勝利!手術乗り越え317日ぶり星「これからしっかり投げられたら」 29日にも優勝マジック点灯
「阪神7-1DeNA」(27日、甲子園球場)
頼れる左腕が帰ってきた。阪神は先発した高橋遥人投手(29)が5回2/3を6安打1失点と踏ん張り、昨年11月の左手首手術から復帰2戦目で317日ぶりの今季初勝利を挙げた。打線も効果的に得点を奪い、後半戦2連勝スタート。貯金は今季最多の「20」となった。29日の結果次第では、待望の優勝マジックがついに点灯する。
試合終了の瞬間、高橋は少し安心した様子で、仲間とハイタッチを交わした。左手首の手術から復帰し、自身317日ぶりとなる今季初白星。お立ち台では「いろんな人に協力してもらって、マウンドに立つことができたので、そういった人たちに報告できれば」と、はにかんだ。
大ピンチを乗り越えたのが大きかった。初回、2つの四球を与えるなど、制球を乱し2死満塁とした。それでも簡単には崩れない。蝦名を二ゴロに抑え、ゼロで立ち上がった。
二回以降は、高橋らしいテンポのいい投球で投げ進めた。六回、1点を失ったところで交代を告げられたが、スタンドからは大きな拍手が送られた。「ふがいない」と納得はいっていないが、きっちりと仕事を果たし、バトンをつないだ。
不死鳥がまた帰ってきた。昨年11月、23年に手首に入れていたプレートを抜く手術を受けた。本人もファンも完全復活へ前向きな事象と捉えた。ただ、そう簡単なものではなかった。
肩や肘の手術を経験している選手は多いが、手首の手術は、なかなかまれなケース。これまでは、周囲に相談できる選手がいたが、その相手がいなかった。「聞けないし(手首を)取り上げてる人(選手やアスリート)もいない」と不安があったのも事実だった。
春先は投球練習をすると、痛みこそないものの力が入りにくく、手首がパンパンに腫れることもあった。投げてはやめ、良くなっては投げての繰り返し。週2回、愛知の病院に通ってリハビリも続けた。苦しい時間だったが、幾度となく大きなケガを乗り越えてきた左腕は「(プレートを)入れるときの方が不安だった。去年までの方がリハビリは大変でしたよ」とめげることはなかった。
粘りの投球でチームを後半戦連勝スタートに導き、貯金は最多の20になった。早ければ29日にも優勝へのマジックが点灯する。「みんなに置いてかれないように頑張ります」。左腕らしく、控えめに話した。
多くの手術を乗り越え、とうとう高橋遥人の完全体か。そうも感じるが「そんな実績があるわけじゃない。完全復活ってよりも、これからしっかり投げられたら」。もうおかえりとは言わせない。高橋は歓喜の瞬間まで、止まることなく走り続ける。
◆29日にも優勝マジック41が点灯 阪神が29日の広島戦に勝ち、同日に中日が巨人戦に敗れるか引き分け、仮に阪神が引き分けても中日が敗れれば、中日の自力Vの可能性が消滅。これにより阪神に優勝へのマジックナンバー41が点灯する。マジックの対象チームは巨人、さらに29日にDeNAがヤクルトに勝てば、巨人とDeNAの2チームが対象となる。
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