阪神評論 藤田平氏「投打にそつのない阪神と効果的な動きのない広島との差は縮まらない」

 「広島1-3阪神」(9日、マツダスタジアム)

 広島キラーの大竹が六回途中まで1失点と好投し、佐藤輝が先制弾、さらには勝ち越し、追加点など主導権を手放さなかった阪神が10連勝。独走気配となってきた。2チームの差はどこにあるのか、デイリースポーツ評論家・藤田平氏がこの試合を通じて解説する。

  ◇  ◇

 展開としては、佐藤輝のホームランで先制して、追いつかれてもすぐにチャンスを作って、また佐藤輝の内野ゴロの間に勝ち越し、というそつのない攻撃が目立った。

 しかも勝ち越し点は、近本、中野の連打に、それぞれが盗塁を絡めて1死満塁の好機を仕立てていったもの。

 ここまでチーム盗塁数もダントツの阪神だから、広島バッテリーも警戒するんだけど、それでも止められない。そうなるとなおさらプレッシャーがかかるという、阪神にとってはどんどん雰囲気がよくなっていく循環を作ることができた。

 思えば、これは過去、広島が得意としてきたパターンだ。一発もあれば、難敵にはあの手この手で崩そうと襲いかかる。ところがこのところ、そうした広島らしさが影を潜めている。

 ましてや、広島戦には絶対的な自信を持っている大竹がマウンドにいる。大竹からすれば、先頭打者を出さない、とか無駄な四球には気をつけるとか、最低限の所に配慮しながら、アウトを重ねていけばいい。

 2番手以降も盤石の投手陣がいる。何しろチーム防御率も1点台だ。

 一方の広島といえば、動いてきたのは六回、先頭の野間がヒットで出塁して、初球に盗塁を仕掛け、アウトになった場面だけ。あそこはもっと大竹を苦しめる作戦があったように思う。またそれ以外は淡々と打ってきているだけだから、ますます大竹は楽になる。

 そこが変わってこなければ、怖さのない、戦いやすい相手として、広島と阪神とのチーム力の差は縮まらないだろう。

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