阪神・石井 初球宴 打球頭部直撃の悪夢乗り越え復肩選出 夢舞台へ「ピッチャーライナーだけ打たれないように」

 球宴初出場が決まり、笑顔でポーズを決める石井(撮影・田中太一)
 監督選抜で球宴出場を決めた(左から)石井、坂本、及川(撮影・田中太一)
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 「マイナビオールスターゲーム2025」(23日・京セラ、24日・横浜)の監督選抜が7日、発表され、阪神・石井大智投手(27)の球宴初出場が決まった。6月6日・オリックス戦(甲子園)で頭部に打球を受けて離脱したが、1日・巨人戦(甲子園)で復帰。高専卒のプロとしては初の夢舞台への切符をつかんだ。坂本誠志郎捕手(31)、及川雅貴投手(24)も監督選抜に選出され、いずれも球宴初出場となる。  

 七夕の朗報に満面の笑みがはじけた。一度は諦めかけた夢舞台に、不屈の男が立つ。オールスター初出場を決めた石井は自虐ジョークを交えながら意気込みを語った。

 「正直もう難しいだろうな、選ばれないだろうなと思っていたんですけど、こういう形で選んでいただいてすごく光栄に思います。シーズン中は打たれないように、いろいろ考えて投げるんですけど、オールスターはホームランを打たれてもいいと思うんで。ピッチャーライナーだけ打たれないように頑張ります」

 6月6日・オリックス戦で打球が頭部を直撃。「脳振とう」で戦線離脱を余儀なくされ、1週間前の1日・巨人戦で1軍復帰を果たしたばかり。2-1の八回、スタンドの地鳴りのような歓声に応えて1回無失点に抑えると、現在25試合連続無失点中だ。悪夢を乗り越え、完全復活を遂げた姿がファンの心を打った。

 記憶に残るオールスターは近本がルーキーイヤーの2019年に記録したサイクル安打。鮮烈な活躍に憧れを抱いたからこそ、今回対戦したい打者には、楽天・宗山、西武・渡部聖、ロッテ・寺地ら次世代のスター候補の名前を挙げた。「今後、将来性のある選手たち。そういう選手たちと戦いたい」と目を輝かせる。

 「華のある選手がそろう中で、一番その言葉が似合わない選手だと思うんですけど。そういうところで投げさせていただける機会があるということで、うれしく思います」

 謙虚に言葉を紡ぐ石井も、唯一無二のサクセスストーリーを歩んでいる。秋田工高専、四国ILp高知を経て、20年度ドラフト8位で阪神入団。支配下全体でラスト74番目指名だった。異色のキャリアを積み重ね、昨季は56試合で防御率1・48、30ホールドをマーク。今年3月には侍ジャパンに初選出され、一流選手の仲間入りを果たした。

 「自分と同じようなチェンジアップみたいなフォークを投げるので、話を聞いてみたい」。球宴では23年最優秀救援投手、広島・島内とのセットアッパー談議を心待ちにする。

 今季は28試合に登板して1勝3セーブ19ホールドで防御率0・31。圧巻の成績を残す身長175センチの剛腕は、「そこまで真っすぐに自信があるわけではないので全球という感じではないですけど…いけたらいいですね」と控えめに笑った。真夏の祭典でもまばゆい輝きを放つ。

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