阪神・中野 感謝の3安打 29歳バースデーソング「球場全体が雰囲気を作ってくれた」 セトップタイ8度目猛打賞
「ヤクルト0-2阪神」(28日、神宮球場)
試合後に響く2度目のバースデーソングを堪能すると、阪神・中野はスタンドに向けて手を振りながら歩いた。29歳初めての打席で放った右前打から、右に左に今季8度目となる猛打賞の活躍。打って、守って、勝った節目の一日に「いいスタートが切れました」と笑う。結果で届けた感謝の1勝だ。
「なかなか聞けるものではないのでね。球場全体が雰囲気を作ってくれましたし、相手バッテリーも少し待ってくれたような形。最後までしっかりと聞けたので、気持ちよく打席に入れました」
初回だ。打席に立つ中野にスタンドからバースデーソングが贈られた。高橋-中村悠のヤクルトバッテリーの配慮にも感謝。敵味方を超えた祝福が力に変わった。曲終わりで迎えた2球目、右前打でチャンスメーク。三回は再びカーブを打って左中間を破ると、七回には左前打で出塁後に今季11個目の盗塁。縦横無尽にグラウンドを駆けた。
今季8度の猛打賞は近本、広島・ファビアン、中日・岡林に並んでトップタイ。打率・312はリーグ2位と、頭部死球の影響を感じさせない。好調続く内容にも「あまり数字を気にしてしまうと良くない」と気を引き締め、「毎打席、毎打席、自分がやるべきことをやっている結果。その場でどういう打撃をするか考え、頭を整理して打席に入りたい」と前を向いた。
プロ5年目。22年に2安打を放った誕生日は、「あまりいい思い出がなかった」と話すように昨季まで8打数2安打。3年ぶりの快打に「いい思い出になったし、29歳の1試合目。いいスタートを切れてよかった」と笑った。チームの要を担う虎の選手会長。勝利が最高の誕生日プレゼントになった。20代最後の1年を優勝で飾るべく、全身全霊をグラウンドに注ぐ。
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