阪神・佐藤輝 わずか7球鮮やか先制V撃 意外!34戦ぶりタイムリー 森下とセ・トップタイ49打点

 「阪神3-0ソフトバンク」(21日、甲子園球場)

 軽く合わせた打球が三遊間を破ると、甲子園が一気に沸いた。阪神・佐藤輝が前夜、延長戦で敗れた嫌な空気を一振りで払拭する先制打を放ち、何度も手をたたいた。

 「つないでもらったチャンスだったんで。飛んだところがよかった。それだけです」

 0-0の初回、1死一、二塁の好機で打席を迎えると、ソフトバンク・上沢の変化球にうまくコンタクトした。打球は三遊間をしぶとく破る適時打。わずか7球と電光石火の先制劇だった。これで打点は森下に並び、リーグトップの49。交流戦に限ると3位タイの12打点となった。

 実はこの一打が、5月11日の中日戦以来34試合ぶりという、久々の適時安打だった。その間に15打点を挙げていたが、全てがホームランで稼いだもの。ド派手な一発でインパクトを残していたが、状況に応じた軽打をできるのも今季の特徴だ。

 12球団勝利が懸かっていた先発の大竹に、初回から大きな援護点をプレゼント。「もちろんそういうの(大竹の記録)もありますし、先に点を取ってあげるのは、楽になると思うのでよかったです」。左腕の記念すべき1勝をアシストすることができた。

 佐藤輝はとにかく準備を怠らない。試合前の練習では、他の野手がアップを終え、続々とバットやグラブを手にする中、ピッチャーの練習する外野のゾーンで入念にストレッチを行う。これはビジターの時でも欠かさないルーティンだ。

 もちろんケガの防止でもあるが、柔軟性が打撃につながると考えているからこそ大事にしている。「(疲労がたまると)いろんなところが、硬くなりやすいので。いい準備をしてってことですね」。結果を出すために、やれることは全てやる。

 22日で交流戦もラストゲーム。勝てば勝率5割で終えることになる。「もう残り1試合しかないんでね、勝ちたいと思います」。虎の大砲はバットでチームをけん引し、最高の形で締めくくる。

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