阪神・才木 G初完封!お待たせ今季初聖地星「最高です」 火曜で圧巻4勝目 メジャースカウトも熱視線

 「阪神4-0巨人」(20日、甲子園球場)

 心地いい浜風が吹く中、大音量の才木コールと登場曲が鳴り響く。九回のマウンドに立った者にしか見られない光景。阪神・才木浩人投手は最高の雰囲気をかみしめながら腕を振った。

 完封目前の九回。2死一、二塁のピンチを背負ったが、最後はこの日の129球目、リチャードを遊ゴロに抑えシャットアウト。両手を突き上げた後に、相方の梅野と熱い抱擁を交わした。今季初となる甲子園のお立ち台。「最高です」と笑みがはじけた。

 長い回を投げるため、器用さを見せた。序盤は持ち前の直球で押した。二回までに4奪三振も43球と球数がかさんだ。「しっかりストライクゾーンを狙って投げようって意識です」。そこから一転、変化球も効果的に交えながら、打たせて取る投球でテンポを上げ、9回を投げ切った。

 伝統の一戦での強さが光る。対巨人戦での完封は自身初だった。「完封は相手にかかわらずうれしいけど、甲子園で伝統の一戦と言われるところでできたのは、すごくうれしい」と充実の表情。宿敵相手には今季2戦2勝など昨年7月から4連勝と強さを誇るが「(理由は)あまり分からない。勝ってるんだって感じ」と才木らしく首を横にひねった。

 いい感覚がようやく結果となった。打線との兼ね合いもあるが、今季はここまで、思うように勝ち星が伸びない中「ボールの感覚は悪くない」としきりに話していた。昨季は13勝を挙げていたが、逆にしっくりきていないボールが多かったという。理由として分析したのは足首の緩さだ。増やした体重を支えられず、体の安定性を欠いた。その反省を踏まえ、今季はきっちりとバランスのとれる体作りに着手。結果的に納得のいくボールが増えたのだ。

 この日は米大リーグのヤンキースと、ダイヤモンドバックスのスカウトも視察に訪れる中での快投。「今日みたいなピッチングが続けていければ、よりいいかなと思います」。聖地で大きな1勝をつかんだ右腕は、ここからギアをさらに上げていく。

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