「阪神５－２広島」（１７日、甲子園球場）

　阪神・藤川監督、広島・新井監督が試合前のメンバー交換時にお互い目を合わせない異様な雰囲気の中で始まった首位攻防戦は、阪神が快勝で首位浮上。先発・大竹が今季初勝利。打線は四回に木浪の適時打で先制すると、五回に広島先発・床田の暴投や大山の適時二塁打で３得点。デイリースポーツ評論家・中田良弘氏は大竹の投球術を称賛するとともに、先制点を奪い試合を優位にした打線も評価した。

　阪神打線は３回までの序盤で走者を出しながら無得点だった中、四回２死一、三塁から木浪が先制タイムリーで主導権を握った。

　「初回から三回まで毎回安打を出しながら無得点。特に一、二回は先頭が出て得点圏に走者を進めながら点が入らなかった。四回のチャンスも無得点だったら重い空気が流れ、相手に流れが傾きそうな中で木浪が放ったタイムリーは大きな価値があったといえる」

　五回にも大山の２点二塁打などで３得点。一方で６番・前川は二、四、五回の好機で凡退した。

　「打線で気にかかるのは前川。二回無死二塁では、進塁打を意識してか、中途半端に映るスイングで空振り三振だった。この日は１番・近本が５安打。そして４番・佐藤輝、５番・大山が、それぞれ２安打。相手バッテリーからすると１番から５番は怖さを感じる状態といえる。それだけに、これからの戦いでポイントになるのは６番打者になるかもしれない」

　一方、先発・大竹は７回１／３を２失点で今季初勝利。広島戦は通算１０勝の相性の良さだ。

　「多彩な球種に加え、ボールを長く持つなど、投球リズムを変えて相手打者のタイミングを巧にずらした。クイックなどで試合中にフォームを変えるとコントロールの乱れにつながるケースもある。だが大竹には、そういったことも感じられない投球術を見せてくれたマウンドだった」