阪神・湯浅の母、衣子さん 3年前と同じ母の日お立ち台目撃「最高の1日」

 「阪神1-0中日」(11日、甲子園球場)

 黄色靱帯骨化症の手術から復帰した阪神・湯浅京己投手が初のイニング途中での継投。1点リードの六回2死一、三塁、執念で火消しを成し遂げ、1軍復帰後6試合連続無失点となった。「やっぱこういう展開で投げるために、ずっとリハビリもやってきたので」とリリーバーの矜持(きょうじ)を復帰後初のお立ち台で。両親に招待チケットを贈った一戦だった。

  ◇  ◇

 湯浅の両親もスタンドから声援を送った。前日も応援に来ていた母・衣子さん(53)は「ドキドキして震えが止まらなかったです。本当によかった。今年復帰して初めてのヒーローだったので本当にうれしかった」と胸をなで下ろした。

 母の日は忘れられない記憶がある。22年5月8日の中日戦。「あの時号泣しちゃって。いろんな人に母親ってばれちゃって」。湯浅は八回を無失点に抑え、当時は“鬼門”と呼ばれたバンテリンドームでのシーズン初勝利に貢献した。

 「朝からウキウキで甲子園に向かってたんです」。この日のために一流ホテルと甲子園の招待チケットを、今年の初めに息子が準備してくれていた。「朝にお父さん(夫)と『3年ぶりの何かあったらうれしいな』みたいな話をしていたら、本当にヒーローだったので鳥肌が立ちました」と偶然のお立ち台に感嘆したという。

 息子から毎年欠かさず届く感謝の連絡は「『いつもありがとう』って朝から電話をくれて」と今年も届いた。「十分過ぎるくらい最高のプレゼントでした。最高の1日になりました」。何にも代えられない一番の贈り物を受け取った。(デイリースポーツ阪神担当・和泉玲香)

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