阪神・森下 初回先制V打から3試合連発 試合前には戸郷とライバル談義「阪神戦以外で完封して」
「巨人1-7阪神」(6日、東京ドーム)
3番打者も、虎も勢いが止まらない。阪神・森下翔太外野手(24)が、先制適時打に3試合連続本塁打を含む2安打3打点と連夜の大活躍。宿敵巨人に快勝し、単独首位に浮上した。東京ドームでの開幕5連勝は球団史上初。ゴールデンウイーク最終日も、強い虎を見せつけた。ここまできたら、9連戦最後も勝利で締めくくろう。
前夜、火を噴いたバットを、この日も思い切り振り抜いた。森下は打球の行方を目で追いながらゆっくり走り出す。2戦連続、東京ドームの左翼スタンド中段に白球をぶち込んだ。
「いい角度で上がってくれたので、いいホームランでした」
2点リードの二回2死一塁。カウント3-1から井上の5球目、カットボールを完璧に捉え、今季5号2ランに。前日の四回にも3ボールから左翼へのソロを記録しており、これでなんと4日のヤクルト戦(甲子園)から3戦連発。「振るところが一つの強みでもあるので、そこは変えずに今後もいきたい」と胸を張った。
初回1死三塁では左腕から左前適時打を放ち、先制に成功。「タイムリーにできて、自分の中での流れはできた」とリズムを作れた一打だった。前日も1本塁打を含む4安打4打点と好調が続く。その要因については「1試合、1打席ごとに課題を持ってやっていることが大きなプレーを生んでいる」と明かした。
試合前にはこんな一幕があった。グラウンドには戸郷と談笑する森下の姿。2000年生まれの同学年で、昨年11月の「プレミア12」では侍ジャパンのメンバーとして共闘した2人が話していたこととは-。前夜、1本塁打を含む2安打2打点を食らった森下に戸郷は「俺の真っすぐどうだった?」と質問。森下は「前回より良かったよ」と4月4日に対戦した時と比較し、自身の感じたことを素直に伝えた。
そして一通り話し終えた後、森下は「阪神戦以外で完封して」とお願い。それに対し、昨年阪神戦でノーヒットノーランを達成した右腕は「阪神戦でノーノーするわ」とニヤリと笑った。ライバルではあるが、世代を引っ張る2人。お互いに刺激し合えるいい関係性が分かるシーンだった。
チームは球団史上初の東京ドームで開幕5連勝を決め、単独首位に浮上した。29日からの9連戦。森下はここまでの8試合で35打数14安打、3本塁打、10打点、打率・400と打線を引っ張っている。「子供たちに夢を与えられる職業なので、ゴールデンウイークに活躍した姿を見せられたのはいいこと」と自身も納得の活躍ぶりだ。
3連戦最後は今季5試合で無失点の山崎が立ちはだかるが、森下は虎党に力強く誓った。「連勝を続けられるように、また明日しっかり勝って、甲子園に戻りたいなと思います」。もはや敵なしの背番号1が、快勝で9連戦を締める。(山村菜々子)
◆開幕からのビジター巨人戦5連勝は初 阪神は6日も7-1で快勝。これで開幕から東京ドームでの巨人戦は5連勝となった。1988年に東京ドームが開場して以来、第1次岡田監督時代の04年の4連勝が最長だったが、初めて開幕から5連勝を決めた。また、前身の後楽園球場時代にも1962年に開幕から4勝1分けと5戦負けなしを記録したことはあるが、52年のフランチャイズ制以降で開幕から巨人戦で5戦5勝は初めてとなる。
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