阪神 首位陥落 ミスミス悲劇でサヨナラ負け 延長十一回にビーズリーがサイン間違い 九回には坂本が送りバントできず

 11回、カリステにサヨナラ犠飛を浴びたビーズリー(撮影・中田匡峻)
 11回、後逸する坂本。投手ビーズリー
 9回、バントを空振りする坂本(撮影・飯室逸平)
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 「中日5-4阪神」(30日、バンテリンドーム)

 ミスミス白星を逃した。阪神は今季初のサヨナラ負けで3連敗。首位から陥落した。同点の九回無死二塁は坂本が送りバントを失敗後に三振。試合が決まった延長十一回は、ビーズリーのサイン間違いが絡んだ。藤川球児監督(44)は痛恨の敗戦にも「我慢強く、攻めていく姿勢を」と選手の巻き返しを期待した。

 悔しさのあまり、感情を抑えられなかった。ベンチに戻ったビーズリーはグラブをたたきつけ、壁をぶん殴った。ミスが重なり、悪夢のような今季初のサヨナラ負けだ。

 「あそこは意思の疎通ができていなかった。坂本さんはしっかり言ってくれていたんですけど、僕が理解できていなかった。そこはしっかり反省しないといけない」

 試合後、神妙に振り返ったのは延長十一回だ。先頭・細川の中前打から1死二塁のピンチを背負う。続く木下への初球だ。ビーズリーは直球を投げたが、変化球を待つような捕球体勢を取った坂本が後逸。サイン違いでの捕逸で、ボールが転々とする間に走者は三塁へ。その後1死一、三塁となり、代打・カリステに痛恨のサヨナラ中犠飛を浴びてしまった。

 「うん、まあ、しっかりやらないといけないですね。その辺りはね」

 藤川監督も冷静に指摘したが、結果的に攻守のミスが響いてしまった。

 4-4の九回は守護神・松山から先頭の前川が中越え二塁打。一気呵成(かせい)に攻めたいところだったが、続く坂本が送りバントを失敗後に三振した。代打・糸原の左前打から1死二、三塁に好機を広げたが、代打・木浪、頼みの近本がまさかの連続三振。無念の無得点に終わり、最後まで試合の流れを引き寄せられなかった。

 「相手も松山投手ですか、パワフルなピッチングで押されてしまったというところですけど、また明日もありますからね。しっかりいい戦いができるように頑張ろうと」

 藤川監督は悔しさを押し殺し、懸命に前を向いた。この日、石井が体調不良のため出場選手登録を抹消に。急きょ、午前中に日鉄鋼板SGLスタジアムで2軍残留練習に参加していたビーズリーを呼び寄せた。練習中に合流すると、指揮官はがっちり握手。延長戦で力尽きたが、緊急事態の中、チーム一丸で戦った。

 「本当にギリギリの勝負が多いんですけれど、我慢強く、あとやっぱり攻めていく姿勢ですね。そのあたりをまた明日から選手に求めたいと思います」

 今季2度目の3連敗となり、巨人に首位の座を明け渡した。貯金も3に目減り。連勝の後の大型連敗は避けたい。アグレッシブな“球児野球”で白星をつかみにいく。

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