阪神新外国人デュプランティエ 最速154キロの威圧的ド迫力投球 「怖い」初ライブBPで敵も味方もびびらせた

 シート打撃に登板したデュプランティエ
 シート打撃登板前、マウンド上に膝を付くデュプランティエ
 豊田と対決するデュプランティエ
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 「阪神春季キャンプ」(17日、宜野座)

 阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ブルワーズ=が17日、来日後初めてライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板した。安打性は1本あったが、直球の最速は154キロを計測。長身で手足の長い独特なフォームで、打席に立った右打者からは「怖い」という反応があった。外国人枠やビーズリーらとの先発ローテ争いに、また一人おもしろそうな右腕が名乗りを上げた。

 パンッというよりは、ドンッという重たいミット音が響く。デュプランティエが青空の下、ベールを脱いだ。「感覚はすごく良かったよ。打者相手に投げるのはすごく楽しいことだったね」。直球主体で21球。最速は154キロを計測し、打者をビビらせた。

 投球前、マウンド後方で中堅方向を向いてしゃがみ込んだ。大学時代からのルーティン。「幸運が訪れるように祈っているんだ」。相手打者への尊敬も含め、自身だけでなくナインの幸運を願っての行動だった。

 そんなナイスガイな一面も見せながら、投球スタイルは威風堂々。豊田に外角直球を右中間にはじき返されたが、武器のカーブやスライダー、チェンジアップ、カットボールと全球種を投げ込んだ。真っすぐが右打者の内角へ抜けることもあったが、これが逆に効果的。対戦打者や女房役、首脳陣、スコアラーは賛辞の声を上げた。

 芯で捉えた豊田もその一人。「怖い。対峙(たいじ)した時から怖いというか。外が遠く見える」。前の打者が内角高めをのけぞっている場面があり、強く踏み込めなかった。投球モーションに入ってからの威圧感も抜群。「初見だと特に感じると思う」と評価した。

 捕手の坂本は「球の強さがある。この時期で154キロなら、平均で155キロぐらいは出るんじゃないかな」と直球の威力を左手に感じた。投球後には積極的に会話し、意見交換も忘れず。安藤投手チーフコーチは制球力の改善こそ求めたが、「強い球を投げられていた」と合格点。次回は試合での登板だと明かした。

 助っ人右腕は他の投手のブルペンやライブBPを確認するなど研究熱心。ネルソンにはカットボールの助言をし、優しさも兼ね備えている。競争があることは理解している。ただ、それ以上にチームを思う気持ちがある。「困っている人がいれば、彼らの助けになればいいと思っているよ。日本一になることが自分の目標であり、願いだからね」。来日1年目だが、心は黄色に染まっている。

 「サイコウノタイガースファンズ、ステキナイチニチヲ」

 すでに日本を愛し、虎を愛する男の愛称は「デュープ」。まだ才能は秘めているだろう。「新鮮な気持ちだったよ。学べることもあったから、引き続き取り組んでいきたいね」。新助っ人が先発ローテ争いをさらに激化させる。

 巨人・真田スコアラー「すごくいい投手だと思います。ボールも強さとキレを感じた。先発陣に割って入るだけの力はあると思う」

 ヤクルト・松井スコアラー「真っすぐは手足も長いですし、力強いなという印象。少しクロスに入ってくるんで、左打者より右打者の方が怖さがあるかな。DeNAのジャクソンとか、あんなようになられると怖い」

 ◆ジョン・デュプランティエ(JonDuplantier)1994年7月11日生まれ、30歳。米国出身。193センチ、103キロ。右投げ左打ち。投手。2016年のMLBドラフト3巡目でダイヤモンドバックス入り。19年にメジャーデビュー。メジャー通算19試合で1勝4敗1セーブ、防御率6.70。マイナー通算は122試合で30勝13敗5ホールド、防御率4.42。

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