阪神・伊藤稜 左肩痛回復「外旋位」意識し球速アップ 紅白戦で154キロ計測 支配下入りへ「フォームを固める」
「熱鳴」が「熱具志」となったキャンプ企画。第3回は育成の伊藤稜投手(25)を取り上げる。21年に育成ドラフト1位で入団した伊藤稜は4度目の春季キャンプ。9日に宜野座で行われた紅白戦でリリーフ登板し、1回を1安打無失点と猛アピールした。さらにスピードガンは最速154キロを計測。虎党の注目を浴びている伊藤稜の、球速アップの秘訣(ひけつ)に迫る。
伊藤稜が宜野座で復活ののろしを上げた。9日に行われた紅白戦。五回にリリーフで登板し、無失点に抑えた。スピードガンは驚きの154キロを表示。「そんなに出ていたかな」と謙遜しながらも、歩んできた道のりの正しさを示していた。
入団から2年間は左肩痛に苦しんだ。最初は“ズキッ”とした痛みだったが「肩をかばって投げるようになってしまった」。そこから思うように投げられない日々が続いた。昨年8月にウエスタン・オリックス戦で約3年ぶりとなる実戦マウンドに復帰。「平均は140キロ前半くらいだった」と振り返ったように、最速150キロを誇った左腕は鳴りをひそめていた。
焦りもあり、大学時代から懇意にしている徳島県内のスポーツ施設で球速を取り戻すためのトレーニングに取り組んだ。最初はフォーム解析を行い、好調時との違いに気付いた。「最大外旋位が出ていない」。外旋位とは投球時の肩のしなり。左肩痛の不安から「肩がきちんと振れていなかった」ことが球速の出ない原因だった。同施設でフォーム改良を行いながら、肩の治療にも取り組むうちに入団時の球速が戻ってきた。「治療院や施設の支えで今の自分がある。投げている姿を見せることが一番」と恩返しを誓った。
具志川ではメディシンボールを使ったトレーニングに力を入れている。「とにかく腕を振ること」をリハビリ時から続けている。「2月にピッチングに入れるのは初めて。とにかく投げて、フォームを固める」。思い切り投げられる喜びをかみしめながら、支配下登録を目指して腕を振る。
◆伊藤 稜(いとう・りょう)1999年11月8日生まれ、25歳。愛知県出身。178センチ、85キロ。左投げ左打ち。投手。中京大中京高、中京大を経て21年度育成ドラフト1位で阪神入団。プロ入り後は左肩のけがなどもあり、22、23年は実戦登板なし。24年はウエスタン7試合で0勝1敗、防御率20・25。
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