阪神・ネルソン“魔球”投げた 高寺「見たことない」速いナックル 打者相手に初登板「悪くはなかったね」

 「阪神春季キャンプ」(12日、宜野座)

 阪神の新外国人、ニック・ネルソン投手(29)=前フィリーズ=がランチ特打のライブBPで、来日後初めて打者を相手に登板した。井上、高寺を相手に25球を投げ、安打性の打球は1本に抑える内容。半数の12球がボール球と荒れ気味だったが、「魔球」と称されるナックルも4球試した。打席に立った高寺が「見たことない」と驚き、首脳陣の評価も上々。巨人や中日など他球団007も警戒を強めていた。

 スタンドからの悲鳴と同時に、グラウンドに鈍い音が響いた。マウンド上のネルソンも慌てて、日本式のお辞儀でペコリと頭を下げる。背中に投球を受けた井上は「痛ッ」と叫びながら、手で○印を作って助っ人に笑顔を向けた。球種は魔球…ではなくチェンジアップ。ヒヤリとする場面も周囲の評価は上々だった。

 「打者が入った時の感覚を慣れさせていく段階。ただ、悪くはなかったね」と練習後の笑みに確かな手応えが見えた。来日後初めて打者を相手にした投球。高寺、井上を相手に直球、スライダー、ツーシームと順に多彩な球種を見せると、2巡目で高寺の打席だった。

 初球、2球目でナックルを連投。ゾーンを外れたボール球になったが、打者は「見たことないですね。無回転で、ちゃんと縫い目も見えました」と目を見張った。元広島のナックルボーラー・坂田とも対戦があるが、同じ球種でも比較して驚いたのが魔球の球速。「イメージしていた球より速いんです。無回転でピュッとくる」と証言した。

 100~110キロ台が一般的だが、ネルソンは120キロ台とさらに特殊球。ボール球で打者の反応は見極められなかったが、安藤投手コーチも「ブルペンで見る限りは結構変化している。ゾーンの中で決まってくれたら、(カウント球と決め球)両方で使える」とうなずいた。魔球以外にも直球とチェンジアップを高評価。ライブBPを経て助っ人は課題を語った。

 「特にチェンジアップは対応していかなきゃいけない。日本のボールだともう少し指を広げて握って、縦の変化を増やしていかないといけない」

 対応力は日本での成功に欠かせぬポイント。勤勉な助っ人は日本食にも前向きで、「馬肉がおいしかった。馬と聞いて驚いたけど、動いてなかったら大丈夫」と笑わせ、異文化を楽しんでいる。「チームの勝利に貢献できる役割であれば、そこだけしか気にしていないので、どこでも大丈夫だ」とネルソン。次クールではシート打撃登板を予定。虎の魔術師がブルペンの切り札になりそうだ。

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