【佐藤義則氏の眼】阪神・及川は先発として十分、通用する球質 体が二塁方向を向く点は一つ一つ技術を高めていけば

 「阪神春季キャンプ」(11日、宜野座)

 阪神のジェフ・ウィリアムス駐米スカウト(52)が11日、藤川球児監督(44)とともに及川雅貴投手(23)を直接指導して、現役時代の代名詞である伝家の宝刀・スライダーを伝授した。昨季の投球映像をチェックした上で、右肩の上がりなど指摘。宜野座のブルペンで金村暁投手コーチ(48)も加えた“JFK”が、6年目左腕の飛躍へ向けて教えを授けた。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏は「十分、先発で活躍できる」と評価した。

  ◇  ◇

 私が個人的に期待している一人が、及川だ。この日はブルペンで100球程度。こうした「投げ込み」を行おうという姿勢も好ましい。ボール一つ一つの質も、問題ない。左という優位性もあり、この日のボールをコンスタントに投げられるのなら、十分、先発で活躍できるのではないか。

 及川の特徴として、いったん足を上げ、そこから体重移動する際に、体が二塁方向を向くというものがある。首脳陣も、私も一致した意見だと思うが、直せるのであれば直した方がいい。

 過去には野茂のトルネードという投げ方があったが、こちらは軸足が全く動かない。対して、及川は上体も左膝も二塁方向に動き、そこから戻してくるフォームだ。

 リリースのタイミングが合わなければ、右打者の外角、高め方向にボールが抜けやすい。

 ただ、本人はこれを通したいという希望を持っていると聞く。ボールもそれぞれが一級品に近いものがある。抜け球に気をつける、カウントが悪くなった時にストライクを取れる球を身につけるなど一つ一つ技術を高めていけば、急いで改良しなくとも、1軍で結果を残せるだろう。

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