阪神・前川 不屈打 前夜足つって途中交代も大丈夫!3戦連続打点 母校・智弁学園が甲子園出場決定!後輩の活躍に負けない
「阪神4-3中日」(28日、甲子園球場)
涙はない。一塁上の阪神・前川は笑っていた。今年最後のウル虎の夏。緑に染まった甲子園を大歓喜に包み込んだ。殊勲の一時勝ち越し打。「何とかかえせたらなと思って、打席に入りました」。1年前の右京はもういない。大きく成長して、勝利に貢献した。
同点の六回無死一、三塁。野口の代打で打席へ向かった。岩崎との対決でフルカウント。「真っすぐのタイミングでフォークをいこうと思って、いい感じで打てて良かったかなと思います」。低めフォークに最後は右手一本で食らいつき、中前へポトリ。聖地の虎党を総立ちにさせた。
打席に入る前、木浪から言葉を送られた。「ヒーローチャンスやな」。緊張する代打での場面。「前向きにいけました」と背中を押された。カウント3-1からも積極的にスイング。四球を選ぶのではなく、しっかりと主役の座を奪いにいく。「すごいと思います」と先輩を感心させた。
ちょうど1年前の7月28日の広島戦(甲子園)。3打席連続三振に倒れて途中交代すると、ベンチで大粒の涙を流した。8月2日には2軍降格。昨季の後半戦はつらく、悔しい思いばかりしてきた。
今年は開幕から1軍入り。夏場の失速を繰り返したくない。後半戦に入って、もちろん疲れもたまっているだろう。バットを10グラム軽くしたり、サプリも摂取したりと体の疲れに適応。「体について考える時間は増えたと思います」。前日27日はフルスイングで右太ももがつって途中交代したが、一夜明けて影響は全く感じさせなかった。
この日は母校の智弁学園が甲子園の切符をつかんだ。後輩の活躍に負けるわけにはいかない。出場6試合連続安打で3試合連続打点。「3連勝できたんで、1日休んでから、もう一回きちんと入っていけたらなと思います」。30日からは巨人との3連戦。21年夏の甲子園で準優勝の男が甲子園100周年のカードでも暴れ回る。
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