【糸井嘉男氏の眼】2三振の阪神・佐藤輝はまだ探り探り 8戦連続安打と小幡が好調なワケは

 6回、見逃し三振に倒れた佐藤輝(後方は球審の芦原)=撮影・中田匡峻
 5回、中前打を放つ小幡(撮影・立川洋一郎)
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 「阪神2-1ヤクルト」(9日、甲子園球場)

 阪神が2試合連続で劇的な逆転サヨナラ勝ち。1点を追う九回2死満塁、近本がしぶとく右前へ運ぶサヨナラ打を放った。3連勝で貯金3とした。デイリースポーツ評論家の糸井嘉男氏は8試合連続安打と好調な小幡を「タイミングを少し早く取っている」と分析。また佐藤輝については「状態は上がりそうで、上がりきっていない」と指摘した。

  ◇  ◇

 サヨナラの場面、近本選手は必ず打ってくれると思ってました。一番頼りになる選手。いろんな打順を打って大変だったと思いますが、状態は上がっています。実績のある選手ですから、間違いなく打率3割近くの成績を残してくれます。

 小幡選手の成長も目を見張るものがあります。8試合連続安打はお見事。好調の要因はタイミングを少し早く取っていることでしょう。三回の右前打も146キロを引っ張ったものでした。打者はタイミングを早く取る方が絶対にいい。今の時代、速い真っすぐを投げる投手はたくさんいます。レギュラーを取るためにも速球を打つことが何より大事になってきます。

 自分も若い頃、小幡選手と同じように、無我夢中でレギュラー取りに挑みました。その時は「自分はライバルに負けていない」「自分の方がポテンシャルがある」と自信を持ってとにかく練習しました。小幡選手も強い気持ちを持って練習に励んでほしいと思います。

 最後にテルの話も。2つの見逃し三振はいいところに投げられました。ただ追い込まれる前の球を捉えないといけなかった。状態は上がりそうで、上がりきっていない。探り探りのように見受けられます。たいていの打者は4月、5月は探り探りで、6月からガーンと上がっていく。ドジャースの大谷選手もそうでしょう。テルの中ではそれが7月、8月なのかもしれない。昨年のように夏場にバーンと上がっていけば、チームはもっと乗っていけるはずです。

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