阪神・岡田監督の継投決断 佐藤輝明のけん制死でも方針揺るがず「そっからまた代えるのもね」村上のメンタルに配慮

 7回、村上が三者凡退に抑えるとベンチで笑顔を見せる岡田監督(撮影・田中太一)
 7回、牽制でアウトになる佐藤輝(撮影・中田匡峻)
 7回、けん制でアウトになる佐藤輝(撮影・山口登)
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 「阪神1-0広島」(9日、甲子園球場)

 阪神の岡田彰布監督は試合後、村上からゲラへの継投について「そっからまた代えるのもね。気持ちも変わると思うので」と舞台裏を明かした。

 七回、先頭の佐藤輝が右前打で出塁した。ここで岡田監督は坂本に送りバントを指示すると同時に、ベンチの村上にも交代を告げた。この時点で球数は100球を超えていたが、尻上がりに調子を上げて7回を無失点に抑えていた。

 六回、七回と完璧に抑えていたことから「もともと続投するつもりやったですけど。三者凡退とかならね」と指揮官。だが佐藤輝が安打で出塁したことでベンチは次の1点を取りに行く方針を固めた。坂本に送らせ、8番・木浪、9番に代打を送っての勝負。だが思わぬ展開が待っていた。

 佐藤輝が床田の牽制球に逆をつかれて憤死。「ああういふうになると思ってなかったから」と指揮官が明かしたように、一転して1死走者無しとなり、9番まで打順が回らない可能性も出てきた。だが岡田監督は交代の方針を変えない。その理由が「気持ちも変わると思うので、もうその点差のままでもいきましたけどね」と言う。

 いったん気持ちを切った場合、投手のメンタルを戻すのは容易なことではない。やっぱり続投-。1点勝負の緊迫した試合ではあまりにもリスクをはらむ。指揮官は投手心理に最大限配慮し、そのままゲラを八回から投入した。これが完封リレーへつながった。

 幸いにも2死から木浪が出塁し、打順は9番まで巡った。試合の流れの中、想定外のけん制死がなくなったことも大きかった。理詰めで導いた完封リレー。村上も初勝利を挙げて次回登板へつながった。

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