阪神・近本“岡田監督頼み”脱却誓う 黄金期のため「監督が代わればまた勝てないというのはダメ」

 ハワイから帰国した近本(撮影・山口登)
 日本一を決め、胴上げされる岡田監督(左)と喜ぶ近本=11月5日、京セラドーム大阪
 連覇に向け個々のレベルアップが必要と語る近本
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 阪神の近本光司外野手(29)が18日(日本時間19日)、優勝旅行先の米ハワイで取材に応じ、真の「黄金期」形成へ“監督頼み”と“投手頼み”からの脱却を掲げた。個々の能力を引き上げることで「強い時期」を継続させる必要性を訴えた。チームは日本時間19日、関西空港着のチャーター機で帰国した。

 猛虎の未来を案ずるが故の近本の直言だった。今季18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一を達成。神戸、大阪両市で開催された「優勝記念パレード」には合わせて約100万人が祝福に集まった。ハワイでの優勝旅行には大半の選手が参加。家族も同伴するなど至福の時を過ごした。

 ただ、盛者必衰の理は世の習わしでもある。90年近い球団の歴史で連覇が一度もないことが勝ち続ける難しさを物語っている。来季、岡田監督は契約最終年を迎える。近本は“監督頼み”からの“卒業”を切実に訴えた。

 「監督が代わったらまた違うチームになってしまう。そうじゃなくて、個々の能力もそのまま継続されるようなチームにならないといけない。(今年は)監督で勝った1年だったが、監督が代わればまた勝てないというのはダメだと思うので、個々の能力を上げないといけないと僕は言っているんです」

 くしくも岡田監督は先月29日の優勝祝賀会で「まだキャリアハイの数字を残した選手もいない。選手がタイトルを取ることによってチームも勝つということやから」と個人成績の向上を連覇の鍵として挙げていた。指揮官の言葉に、前選手会長が同調した形になる。

 今季は12球団トップのチーム防御率2・66が示すように、傑出した投手力を前面に押し出し、勝ち星を重ねたことは衆目が一致するところ。一方でチーム打率・247120はリーグ3位、本塁打84本は同5位だった。

 「もうちょっと、打撃陣がもっと打って勝たないと。毎年ピッチャーにおんぶに抱っこだと(いけない)」

 “投手頼み”脱却の必要性も強調。打ち勝つ野球を身につけることに、進化の余地があると力説した。契約更改の席では「強い時期は続くんじゃないかな」と期待しつつ、「現状では続かない」と危機感も隠さなかった。

 「僕たちは自分たちの成績を伸ばすためにやるだけ。それをどう使うかって言ったら監督なので。監督が優勝のために勝たせるんで、僕たちは持っている力を発揮するだけ」

 「黄金期」の先導役には、その道筋がはっきりと見えている。

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