阪神・青柳 執念投 開幕の地で最終決戦大仕事!「ファンの声援に後押しされました」

 「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ1-7阪神タイガース」(5日、京セラドーム大阪)

 ごろん、とあおむけになる。登板前に受けるマッサージ中。天井を見上げると、どっと緊張が押し寄せる。毎試合のことだ。「重圧の方が多かった」。大一番の先発は不安視もされた。それでも-。「素晴らしいファンの声援に後押しされました」。勝った。日本一だ。阪神・青柳晃洋投手が笑った。

 最後の最後に巡ってきたポストシーズン初登板。負けられない理由があった。自主トレに誘った“まな弟子”村上が、前日の第6戦で先発するも5回4失点で敗戦。「降板してトレーナー室に来た時、本当に悔しそうな顔をしてた。こんな素晴らしい1年を送った頌樹(村上)に、こういう顔で終わらせるのは嫌だった」。“師匠”の意地が奮い立った。

 課題とされた初回は無失点で立ち上がった。球は力強く、制球も安定。6点リードの五回2死一、二塁。宗を迎えたところで交代が告げられた。4回2/3を無失点。大舞台での責任を果たした。

 試合前、岡田監督に監督室へ呼ばれた。「『やるだけだから』と言われました。『青柳で始まったんだから、いいところで最後も終われるように。楽しんで、攻めるところは攻めて』と」。苦しみ抜いた日々は、この日のためにあったのかもしれない。この京セラドームで自身初の開幕投手を務め、今季1勝目をマーク。最高のスタートを切った-はずだった。だが、以降は低調が続き約2カ月の2軍生活も経験。それでも、最終的にはシーズン8勝を挙げるなどリーグVにも貢献した。

 大切な家族の笑顔が何よりのご褒美だった。「奥さんはツラいところを見てきたので、僕が『優勝できてうれしい』と言った時に『それが一番良かった』と言ってくれました」。もう一度、最高の報告ができる。いつだってはい上がってきた。不屈のエース。頂点から見渡す景色は、たまらなく美しかった。

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