阪神・岡田監督 集大成ぶつける!アレのアレへあと1勝「素晴らしい攻撃見せられた」

 8回、逆転に歓喜する阪神ナイン(撮影・飯室逸平)
 8回、大山の適時打で生還した森下を迎える岡田監督
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 「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース6-2オリックス・バファローズ」(2日、甲子園球場)

 すっかり頼もしくなった選手の姿に胸がいっぱいになった。2点を追う八回に6点を奪い、鮮やかな逆転勝利。森下の勝ち越し打が飛び出した直後、ベンチで熊谷、近本を迎える阪神・岡田彰布監督の顔は泣いているように見えた。

 「今年最後の甲子園のゲームなんですけど、七回までふがいなかったんですけど、最後の最後に、この1年の集大成というか、1年間やってきた後ろにつなぐというか、みんなで点を取れたんでホントに良かったです」

 勝利監督インタビューでも触れたように劣勢の展開だった。1点ビハインドの七回2死一塁。3番手・島本が森を二ゴロに打ち取ったはずが、二塁・中野が後逸。右翼から猛チャージした森下はボールを拾い上げたようとしたものの手につかず。ダブルエラーで、一気に本塁生還を許してしまった。

 その直後、七回の攻撃前にはベンチで異例の光景が広がった。「2点目、ああいう感じやったからなあ。平田に言うたんよ。円陣かけえ、気合を入れろって。2回目や、今年」。佐々木朗を攻略した6月4日・ロッテ戦(甲子園)以来となる円陣でナインにゲキを飛ばすと、八回は打者一巡の集中打。今季の虎を象徴するような攻撃でオリックス中継ぎ陣を打ち砕いた。

 「1年間、みんなが自分の役割を守ってね、その結果が最後まで来たと思うんで、素晴らしい攻撃を見せられて良かったです」

 「11・2」は1985年に虎が球団史上初の頂点に立った“日本一記念日”。38年ぶりとなる“アレのアレ”へ、甲子園はもうお祭り騒ぎだ。第6戦の4日の舞台は再び京セラドームへ。岡田監督は「京セラでスタートしたからな、うちも開幕で、それでまた京セラで終わるわけやからな」と高らかに誓った。チームのムードは最高潮だ。関西シリーズを歓喜で締めくくる。

 ◆1985年11月2日VTR 阪神が球団初の日本一に輝いた記念すべき日。西武と対決した日本シリーズで3勝2敗で迎えた第6戦(西武)で阪神が初回に長崎の満塁本塁打で先制。さらに二回に真弓のソロ、九回には掛布の2ランで突き放した。投げては先発ゲイルが9回3失点で完投勝利。吉田監督が胴上げで宙を舞い日本全国が阪神の日本一に酔いしれた。また、今シリーズと同様、85年も2勝2敗から甲子園での第5戦で王手をかけた。

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